EXHIBITIONS

クリスティアン・ボッフェッリ「Tracce da Sapporo -札幌からの軌跡-」

2025.01.18 - 02.16
 Yu Haradaで、クリスティアン・ボッフェッリによる個展「Tracce da Sapporo -札幌からの軌跡-」が開催されている。

 クリスティアン・ボッフェッリは、1972年イタリアのヴァプリオ・ダッダ(ミラノ県)生まれ。1996年にミラノブレラ国立美術大学絵画科を卒業後、ブラジルのサンパウロで滞在制作を行った。現在は、東京とイタリアを拠点に制作活動を続けている。

 ボッフェッリは、1994年に初めての作品を発表して以来、ニューヨーク、サンパウロ、東京など世界の主要都市で活動。2002年には、知的障害者の創造活動のための社会協同組合「L.P.K.工房」を4人の作家とともに設立し、10年以上にわたり障がい者や子供の表現活動の促進に寄与した。ボッフェッリの作品は、版画やドローイングの技法を用いて、人間や動物の変わり続ける形を独特の方法で表現している。

 本展では、札幌の天神山アーティストインレジデンスでの3ヶ月間の滞在制作の成果を発表。ボッフェッリの表現手段として親しんできた「線」をテーマにしつつ、今回の作品には新たに「影」の要素が加わっている。これらの「影」は、投影するものそのものが欠けているにもかかわらず、それ自体で完全な存在として表現されている。

 札幌での滞在経験から生まれた作品を通じて、ボッフェッリ独自の視点と表現力が結実した新作に触れてみてほしい。