EXHIBITIONS
Nerhol「Household Vestiges」
Yutaka Kikutake Gallery 六本木で、Nerhol「Household Vestiges(家の痕跡)」が開催されている。
田中義久(1980〜)と飯田竜太(1981〜)により2007年に結成されたアーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)。人物の連続写真の束を彫刻する制作手法を基軸に、近年は帰化植物や珪化木、記録映像にまで対象を広げ、時間と空間についての独自の探究を続けてきた。植物の「移動」といった観点を巡る取り組みや、フィールドワークを経たフィジカルな素材の制作など、内包された時間軸を掘り起こすのみならず、Nerholの実践は、社会学や歴史、文化人類学といった複数の領域へと深化を遂げている。
本展では、これまでのふたりの制作活動を礎に、家や世帯といった身近な構成単位から物事を切り取り、時間の積層はもとより、その背景に潜む歴史や時代性など、個々の固有性を超えた関係性の網を見出す作品群を展示。
加えて本展では、2020年頃から現在まで多数の制作を行っている「帰化植物」シリーズからアメリカオニアザミをモチーフに制作された作品や、作家の家で偶然見つかったポストカードに、近年撮影された米松の写真を連ねた新作も展示している。時と場所のまったく違う状況で撮影されたふたつの松が画面上でつながっているように見える本作には、数百年単位で行われる植物の移動という視点が結んだ、雄大な時間軸の気配がたちのぼる。
2022年に発表されて以来「帰化植物」とともに発展を続ける「珪化木」、和紙という素材をつくり出すことから取り組んだ「Canvas(Nusa)」シリーズにも今回新たな展開が見られる。
本展は、Nerholの実践を推し進め、その現在地を見わたす機会であるとともに、埼玉県立近代美術館で今年7月に予定されている彼らの個展の前章でもある。時間や空間というキーワードを軸に、より大きな視点や文脈に足がかりを求め発展を続ける彼らの活動の成果とその新境地を見る。
田中義久(1980〜)と飯田竜太(1981〜)により2007年に結成されたアーティストデュオ・Nerhol(ネルホル)。人物の連続写真の束を彫刻する制作手法を基軸に、近年は帰化植物や珪化木、記録映像にまで対象を広げ、時間と空間についての独自の探究を続けてきた。植物の「移動」といった観点を巡る取り組みや、フィールドワークを経たフィジカルな素材の制作など、内包された時間軸を掘り起こすのみならず、Nerholの実践は、社会学や歴史、文化人類学といった複数の領域へと深化を遂げている。
本展では、これまでのふたりの制作活動を礎に、家や世帯といった身近な構成単位から物事を切り取り、時間の積層はもとより、その背景に潜む歴史や時代性など、個々の固有性を超えた関係性の網を見出す作品群を展示。
加えて本展では、2020年頃から現在まで多数の制作を行っている「帰化植物」シリーズからアメリカオニアザミをモチーフに制作された作品や、作家の家で偶然見つかったポストカードに、近年撮影された米松の写真を連ねた新作も展示している。時と場所のまったく違う状況で撮影されたふたつの松が画面上でつながっているように見える本作には、数百年単位で行われる植物の移動という視点が結んだ、雄大な時間軸の気配がたちのぼる。
2022年に発表されて以来「帰化植物」とともに発展を続ける「珪化木」、和紙という素材をつくり出すことから取り組んだ「Canvas(Nusa)」シリーズにも今回新たな展開が見られる。
本展は、Nerholの実践を推し進め、その現在地を見わたす機会であるとともに、埼玉県立近代美術館で今年7月に予定されている彼らの個展の前章でもある。時間や空間というキーワードを軸に、より大きな視点や文脈に足がかりを求め発展を続ける彼らの活動の成果とその新境地を見る。