2019.12.24

VOCA展2020、VOCA賞はNerhol(田中義久・飯田竜太)に決定

27回目の開催を迎える「VOCA展2020」の受賞者が発表された。大賞の「VOCA賞」を受賞したのは、アーティストデュオ・Nerhol(田中義久・飯田竜太)。

 

「VOCA賞」の受賞作、Nerhol《Remove》
前へ
次へ

 平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催されている「VOCA展」。これまでに延べ921人(組)の作家が出展し、過去の出展者には福田美蘭や小林正人、奈良美智、村上隆らがいる。

 同展は、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれが40歳以下の若手作家1名を推薦。そのなかから選考委員が受賞者を決めるシステムとなっている。

 27回目の開催を迎える「VOCA展2020」でグランプリとなる「VOCA賞」を受賞したのは、アーティストデュオ・Nerhol(田中義久・飯田竜太)。「VOCA奨励賞」には菅実花と李晶玉が、「佳作賞」には黒宮菜菜と宮本華子が選出された。また、大原美術館が同館独自の選考を経て決定する「大原美術館賞」は浅野友理子が受賞している。

「VOCA奨励賞」の受賞作、菅実花《A Happy Birthday》《#selfiewithme》
「VOCA奨励賞」の受賞作、李晶玉《Olympia 2020》

 今回、選考委員を務めたのは、小勝禮子(選考委員長/美術史・美術批評)、光田由里(DIC川村記念美術館学芸部マネジャー)、柳沢秀行(大原美術館学芸課長)、水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)、家村珠代(多摩美術大学教授)の5名。

 「VOCA賞」の受賞作品となった《Remove》について、家村選考委員は「何重にも積層された写真を、荒く、うねるように切り刻むことで、彫刻的とも言える物質感を獲得しつつ、イメージをふたたび写真的な質に近づけるという両義性を孕む」と評価している。

 なお、受賞者以外の出品作家は以下のとおり。

 アンジュ・ミケーレ、生島国宜、石澤英子、伊波リンダ、今村文、江上越、大八木夏生、加藤巧、金サジ、木村宙、國分郁子、小林麻美、小林健太、城愛音、諏訪未知、高本敦基、高山夏希、多田さやか、立原真理子、田中奈津子、玉山拓郎、藤城嘘、増田将大、三瓶玲奈、水木塁、山口麻加、山本努。

 これら受賞作家・出品作家の作品が一堂に展示される「VOCA展2020」は、2020年3月12日から3月30日までの19日間、上野の森美術館で行われる。