VOCA展2019、VOCA賞は東城信之介に決定
VOCA展実行委員会および公益財団法人日本美術協会上野の森美術館が「VOCA展2019」各賞の選考会を実施。グランプリとなるVOCA賞は東城信之介の《アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ摸写》に決まった。
26回目を迎える「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催されている美術展。これまでに延べ888人(組)の作家が出展し、過去の出展者には福田美蘭や小林正人、奈良美智、村上隆らがいる。
同展は、全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれが40歳以下の若い作家1名を推薦。そのなかから選考委員が受賞者を決めるシステムとなっている。
「VOCA展2019」で大賞となる「VOCA賞」を受賞したのは、1978年生まれの東城信之介。受賞対象となった《アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ摸写》は、鋼板をグラインドさせた線条によって表現した作品で、「社会を映す“鏡”としての絵画の役割を、多層に見える錯視的画面の中に批評的に体現した」(小勝禮子選考委員)ことなどが評価された。
また「VOCA奨励賞」には石場文子とチョン・ユギョンが、「佳作賞」には遠藤薫と「目」が選ばれた。また、大原美術館が同館独自の選考を経て決定する「大原美術館賞」は喜多村みかが受賞。
今回、選考委員を務めたのは、島敦彦(選考委員長/金沢21世紀美術館館長)、光田由里(DIC川村記念美術館学芸部マネジャー)、柳沢秀行(大原美術館学芸課長)、小勝禮子(美術史・美術批評)、水沢勉(神奈川県立近代美術館館長)の5名。
なお、上記以外の出品作家は以下の通り。
新井卓、石垣渉、大平由香理、尾角典子、岡本高幸、片山達貴、金城徹、クスミエリカ、KOURYOU、近藤恵介、笹山直規、佐野直、白井晴幸、鈴木諒一、関川航平、滝沢広、多田友充、鬣恒太郎、田中真吾、田中武、手嶋勇気、中島麦、中山明日香、西村有、堀至以、三家俊彦、三輪恭子。
これら受賞作家・出品作家の作品が一堂に展示される「VOCA展2019」は、2019年3月14日から3月30日までの17日間、上野の森美術館で行われる。