2018.5.25

「街はアートの夢を見る」。
「六本木アートナイト 2018」のここに注目

今年で9回目の開催となる「六本木アートナイト」。今年は5月26日、27日の2日間にわたり、六本木ヒルズを中心に、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館など各会場で多数のプログラムが展開される。気になるその見どころとは?

プレビューに登場したDUNDUのパペットと女優・片瀬那奈
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 今年で9回目の開催となる「六本木アートナイト」は、一夜限りのアートの祭典としてこれまで草間彌生や名和晃平、蜷川実花など多数のメインアーティストたちが六本木の夜を彩ってきた。今回のテーマは「街はアートの夢を見る」。日本の現代美術を牽引する金氏徹平、鬼頭健吾、宇治野宗輝の3人がメインアーティストとして参加する。

 金氏徹平は巨大なインスタレーション《タワー》を六本木ヒルズアリーナに設置。本作には、ミュージシャンのオオルタイチと柴田聡子、ダンサーの島地保武、女優の青柳いづみ、サウンド・アーティストの荒木優光と小松千倫、ドラムの和田晋侍、映像作家の山田晋平をはじめ、劇作家の岡田利規、アーティストのcontactGonzoなどが集い、金氏のハイブリッドなコラージュ彫刻の造形とパフォーマンスの共演を楽しむことができる。

プレスプレビューの様子。左から片瀬那奈(スペシャルゲスト)、金氏徹平、鬼頭健吾、宇治野宗輝、南條史生(森美術館館長)

 また鬼頭健吾はカラフルな布の滝《hangingcolors》を国立新美術館のガラスのファサードで展開。美術館の内部を多彩な光で満たすとともに、夜間には美術館を鮮やかな光で彩る。また、国立新美術館の正面玄関前に鏡を敷き詰め、花の映像を投影する《brokenflowers》も見逃せない。

《hangingcolors》で彩られた国立新美術館

 音と光が連動する「動く彫刻」《ドラゴンヘッド・ハウス》を東京ミッドタウンで見せるのは宇治野宗輝だ。20世紀後半の大量消費社会における「物質世界のリサーチ」を基盤に、楽器、家具、家電製品、自動車、中古レコードなど、日常的なモノと技術を再構成する宇治野。カラーコーンと車と建築が一体になった作品は多くの注目を集めるだろう。

 このほか、ドイツ、シュトゥットガルトを本拠地とするパペットシアター・カンパニー「DUNDU(ドゥンドゥ)」にも注目したい。初来日となる今回、発光する5メートルもの巨大なパペットが、六本木アートナイト3拠点(六本木ヒルズ、国立新美術館、東京ミッドタウン)に登場し、幻想的なパフォーマンスを繰り広げる。

プレビューに登場したDUNDU

 また、オノ・ヨーコは2011年8月に森美術館の「MAMアートコース2011 第13回:オノ・ヨーコ―希望の路」で行った書のパフォーマンスで描いた作品《夢》を巨大なバナーにして展示するほか、蓄光インクを使用したシールを来場者に配布する。

国立新美術館に掲げられたオノ・ヨーコのバナー

 そして、アーティストとしての活動を精力的に行う香取慎吾は、BMWとコラボレーションしたアートカー「THE ALL-NEW BMW X2 ART CAR」 を六本木ヒルズに展示。どのような作品がBMWを彩るのか、期待したい。

 このほか「広域プログラム」として公募で選ばれた多数の作品・パフォーマンスが展開されるほか、各施設ごとのプログラムも多数。詳細はアートナイトの公式サイトをチェックしてほしい。