藤田嗣治をトリビュート。
小沢剛、野見山暁治が参加の「1940's フジタ・トリビュート」が藝大で開催
藤田嗣治の没後50年を迎える2018年、大規模な回顧展が東京藝術大学に隣接する東京都美術館で開かれる。同大、そして同館にゆかりがある藤田を、幅広い世代の作家が「トリビュート」する企画「1940ʼs フジタ・トリビュート」が東京藝術大学陳列館で開催される。会期は7月28日から8月15日まで。
2018年は藤⽥嗣治の没後50年にあたり、日本中で様々な藤田の展覧会が開催されている。そのなかでもとくに大きな展覧会が東京都美術館と京都国立近代美術館で開催される「没後50年 藤田嗣治展」だ。
1930年代半ばから40年代末の日本在住期に、おもに東京都美術館で作品を発表していた藤田は、東京都美術館に隣接する東京藝術大学の前身である東京美術学校の卒業生。今回、東京都美術館で回顧展が開催されるのを機に、同大にて、藤田に関わりがあった作家から関心を寄せる若手まで幅広い世代が集う、音楽の「トリビュート・アルバム」のような展覧会「1940's フジタ・トリビュート」が開催される。
参加作家は、⼩沢剛研究室、O JUN、米田知⼦、秋本貴透、平川恒太、村⽥真、笹川治⼦、中⼭岩太(藤⽥ポートレイト写真)、野⾒⼭暁治(特別協⼒)など、多彩な顔ぶれが揃う。
同大の卒業⽣で、教員も務めた野⾒⼭暁治のエッセイ集『四百字のデッサン』(1978、河出書房新社)は、1943年9⽉の戦時下に美校を繰り上げ卒業になる直前、東京都美術館の前身である東京府美術館で藤⽥の《アッツ島⽟砕》を⾒た記憶から書き起こされている。本展はそこから75年を経て初めて、東京都美術館に帰ってくる《アッツ島⽟砕》、そして1949年に離⽇してから初めて上野に帰ってくる藤⽥を迎えるべく、同大にゆかりのある作家を核に、1940年代の藤⽥を考える機会とするというもの。
⼩沢剛研究室との協働により、学⽣たちも制作や運営に関わり、同大に近年寄贈された藤⽥にまつわる資料の⼀部も展⽰に組み込まれるという。また、会期中には関連イベントも予定されており、会期前にもプレトークイベントが開催される。
没後50年という節目に、藤田ゆかりの地である上野で二つの展覧会を楽しみたい。