北斎からイケムラレイコまで。今週末に見たい3つの展覧会
今週始まった展覧会と1月20日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介。この機会をお見逃しなく。
これまでの北斎像をアップデートする。「新・北斎展」(森アーツセンターギャラリー)
世界的に知られる日本人浮世絵師のひとり、葛飾北斎の画業をたどる展覧会「新・北斎展 HOKUSAI UPDATED」が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで1月17日に開幕した。
本展は、2000件を超える北斎と北斎派のコレクションを所有していた北斎研究の大家・永田生慈(1951〜2018)が、研究の集大成として10年以上温めてきた企画であり、70年に及ぶ北斎の画業を、落款ごとに6章に分けて紹介するというもの。
絵のスタイルや技法を次々と変え、つねに自分をアップデートしてきた北斎の全貌と、日本初公開作品の数々にも注目したい。
会期:2019年1月17日〜3月24日 ※会期中展示替えあり
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜20:00(火〜17:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:1月29日、2月19日、2月20日、3月5日
料金:一般 1600円 / 高校・大学生 1300円 / 小・中学生 600円
40年の探求の先に見つめる、今日の社会と神話的な風景。「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」(国立新美術館)
1980年代前半からドイツを拠点に活動し、絵画や彫刻など多様なメディアを用いて制作を行うイケムラレイコの個展「イケムラレイコ 土と星 Our Planet」が東京・六本木の国立新美術館で1月18日にスタートした。
絵画、彫刻、ドローイング、水彩、版画、写真など多岐にわたるメディアを扱いながら、何かが生まれる途上に潜む、はっきりとは見えない無限の可能性を表現しようとしてきたイケムラ。約210点の作品が集まる本展では、そんな不可能とも思える目標に取り組み続けてきた表現の軌跡ををたどり直し、追体験することができる。
会期:2019年1月18日〜4月1日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00〜18:00(金・土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:火料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料
霧のアーティスト・中谷芙二子が日本初の大規模個展。「霧の抵抗 中谷芙二子」(水戸芸術館現代美術ギャラリー)
純粋な水霧を用いた環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなどを手がけ、「霧のアーティスト」として世界的に知られる中谷芙二子。その日本初となる大規模個展が1月20日に会期終了を迎える。
「いま、切実に問われているのは、人間と自然とのあいだの信頼関係ではないかと思う」として、人工物に囲われた都市空間、メディアによる疑似体験など、近代以降の技術発達がつくり出す社会に対して鋭い批評を示してきた中谷。本展はこれまでの主要な活動を展観できる貴重な機会となっている。
会期:2018年10月27日〜2019年1月20日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー、広場
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:9:30~18:00 ※入場時間は17:30まで
休館日:月
料金:一般900円 / 高校生以下無料