2010年以降の韓国美術の様相。新たな動向「新生空間」に焦点を当てた展覧会が、ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエで開催
2013年前後、韓国のアートシーンに現れた新たなアートスペースを指す言葉「新生空間(シンセンコンガン)」。その「新生空間」とアーティストたちの活動に焦点を当てた展覧会「『新生空間』展―2010年以降の新しい韓国美術」が、ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエで開催される。会期は5月12日まで。
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「新生空間(シンセンコンガン)」とは、2013年前後の韓国アートシーンに現れた、アーティストや企画者、管理者によってプラットフォームとして運営されたスペースを指す言葉。韓国では09年以降、アメリカの不景気によって美術機関の運営が縮小し、既存のオルタナティヴ・スペースの閉鎖的な傾向によって、若手アーティストたちの発表の場が失われた。
そこで彼らの主導によって立ち上げられたのが、オルタナティヴ・スペースとも違うあり方を提示する動向「新生空間」だった。今回、その活動に焦点を当て、2010年以降の韓国美術の潮流を探る展覧会が、ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエで開催されている。
本展でゲストキュレーターを務めるのは、現在韓国で活躍する批評家・紺野優希。新生空間の展開における最重要イベント「グッズ」(2015)や、「Tastehouse」「PACK」などそれ以降の動向を、過去の活動記録や作品とともに紹介する。
日本のカオス*ラウンジや渋家、パープルームなどのいわゆる「アーティスト・コレクティヴ」と時代を共有する新生空間。本展では韓国と日本のアートシーンを比較し、その奇妙な類似と差異を明らかにするとともに、現代美術の可能性について新たな切り口を提示することを試みる。