大阪中之島美術館が開館プレイベント。新収蔵品のサラ・モリス《サクラ》を世界初公開
2021年度に開館を予定している大阪中之島美術館は、開館プレイベントとして18年度に新収蔵したサラ・モリス《サクラ》を公開する。同作は大阪の街を舞台にした映像作品で、今回が世界初公開となる。
2021年度に大阪の中心部である中之島に開館する「大阪中之島美術館」が、開館を前に初のプレイベントを開催する。
大阪中之島美術館は、大阪と世界の近現代美術をテーマとする美術館。大阪の実業家・山本發次郎(1887〜1951)の収集作品約600点をはじめ、現時点で5700点におよぶ作品を所蔵している。
同館は、18年度にサラ・モリスの映像作品《サクラ》を新収蔵。その作品が、世界で初めて公開されることとなった。
サラ・モリスは1967年イギリス生まれ。色鮮やかなグリッドによる幾何学的な抽象絵画で国際的に評価され、公共施設の壁画など、パブリック・アートも多く手がけている。また映像作品も制作し、独自の視点で都市に内在する政治や社会の構造をとらえ、その深層を露わにする作風で知られる。
《サクラ》は、都市がもつカラーをテー マにした映像作品シリーズのひとつ。これまでにも北京、アブダビ、パリ、ロサンゼルス、リオデジャネイロ、シカゴなどの都市で撮影されており、それぞれの都市で行われた綿密なリサーチをもとに、街を象徴する鮮やかなカラーで映像全体が構成されている。
本作はそのシリーズの最新作にあたり、大阪の高層ビルが立ち並ぶ都市風景や、街角の様子、そこで出会った人々の姿といった日常にちらばる色が次々と映し出される。またこの《サクラ》というタイトルは、撮影時期が春であったことに加え、桜が日本を代表する植物のひとつであること、またモリスが幼少のころ親しんだクレパスの名前にサクラが使われていることなどに由来しているという。