岡山芸術交流から「Reborn-Art Festival 2019」まで、今週末に見たい3つの展覧会
9月29日までに終了する展覧会と今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。
生態系としての展覧会。「岡山芸術交流2019 もし蛇が」(旧内山下小学校ほか岡山県内数ヶ所)
2016年に初回を開催した芸術祭「岡山芸術交流」。その第2回「岡山芸術交流2019 もし蛇が」が9月27日に開幕した。今回は世界的に活躍するアーティストのピエール・ユイグがアーティスティックディレクターを務め、世界9ヶ国から18組が参加する。
メイン会場となる旧内山下小学校では、プールをピンク色の液体で満たしたパメラ・ローゼンクランツによる《被膜のプール》や、タレク・アトイによる音響インスタレーションを展示。ユイグも新作映像のほか、マシュー・バーニーとのコラボレーションで、水槽を使った新作を発表している。また、そのほかの会場ではイアン・チェンやエティエンヌ・シャンポー、ミカ・タジマらによる作品を見ることができる。
建築を活かしたインスタレーションや、アーティストや作品同士が関係しあう会場構成が特徴となる今回の「岡山芸術交流」。この機会を逃さずチェックしてほしい。
会期:2019年9月27日~11月24日
会場:旧内山下小学校、岡山県天神山文化プラザ、岡山市立オリエント美術館、林原美術館、岡山県立美術館、岡山城、岡山県庁前広場など
料金:一般 1800円 / 一般(岡山県民) 1500円 / 学生 1000円 / 65歳以上 1300円 / 高校生以下無料
新聞紙とガムテープでできた「世界地図」。「関口光太郎 in BEPPU」(トキハ別府店)
これまで「目」、西野達、アニッシュ・カプーアを招聘し、個展形式で開催されてきた別府の芸術祭「in BEPPU」。その4回目となる「関口光太郎 in BEPPU」が、約30年にわたって地元で親しまれてきた百貨店「トキハ別府店」を舞台に9月21日、スタートした。
関口は幼少期から新聞紙とガムテープを用いた作品制作を始め、2012年には第15回岡本太郎賞を受賞。本展では別府の小学校や大学、公民館などで行ったワークショップの成果も取り入れた新作インスタレーション《混浴へ参加するよう世界を導く自由な薬師如来》を発表している。会場全体は世界地図であり薬師如来像として構成され、ヴィーナスや人魚、動物など、多種多様なモチーフを見ることができる。
会期:2019年9月21日~11月10日
会場:トキハ別府店 5階
住所:大分県別府市北浜2-9-1
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:無料
自然、動物、人間の「リボーン」を考える。「Reborn-Art Festival 2019」(牡鹿半島、網地島、石巻市街地、松島湾)
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城・石巻地域。2017年にここを舞台として始まった芸術祭「Reborn-Art Festival」の第2回が、9月29日に閉幕する。
会場となるのは、石巻市街と男鹿半島全体。7組のキュレーターがそれぞれ異なる地域をキュレーションし、国内外から41組のアーティストが参加している。注目したいのは、20年近く使われていなかった遊歩道に白い砂利を敷いた島袋道浩《白い道》や、SIDE COREによる防潮堤周辺に介入する試み、そしてロイス・ワインバーガーの自然と呼応するような作品群など。
そのほかにも名和晃平、志賀理江子、浅井裕介、石川竜一、吉増剛造、ザイ・クーニン、野村仁、今村源、WOW、村瀬恭子、フィリップ・パレーノ、持田敦子らが作品を展示。アート・音楽・食で感じる「いのちのてざわり」をテーマに掲げた今回の「Reborn-Art Festival」を、お見逃しなく。
会期:2019年8月3日~9月29日 ※網地島エリアは8月20日より
会場:牡鹿半島、網地島、石巻市街地、松島湾(石巻市、塩竈市、東松島市、松島町、女川町)
開館時間:10:00~16:00(石巻駅前・市街地、土日祝 ~17:00) ※最終受付は30分前まで、施設・作品によって異なる可能性あり
パスポート料金:一般 3000円 / 高校・専門学校・大学生 2500円 / 中学生以下無料