アリ・マルコポロスとジェイソン・モランの関係に感化されて。石川直樹の映像作品を前にスガダイローが即興演奏
アーティストのアリ・マルコポロスが監督し、ジャズピアニストのジェイソン・モランが音楽を担当した映画『THE PARK(ザ ・パーク)』(2017〜18)が、11月21日に京都の同志社大学 寒梅館 ハーディーホールで上映される。本作は、今回が日本初のスクリーン公開。今回これに合わせて、モランとのコラボレーションの経験もあるピアニストのスガダイローも即興演奏を行う。アリ・マルコポロスとモランの関係性にならい、写真家・石川直樹のビデオを無音でスクリーンに投影し、即興演奏を試みる。
アーティストのアリ・マルコポロスが監督し、ジャズピアニストのジェイソン・モランが音楽を担当した映画『ザ ・パーク』(2017〜18)が、11月21日に京都の同志社大学 寒梅館 ハーディーホールで上映される。本作は、2019年に東京とニューヨークのファーガス・マカフリー・ギャラリーで展示されたが、今回が日本初のスクリーン公開となる。
アリ・マルコポロスは、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト。小型カメラを用いて旅先で撮影した写真を白黒コピー機で出力して、ZINE(ジン)を発行するなど、複数のメディアを用いた横断的な表現活動を展開している。
『ザ ・パーク』は、当初無声映画として17年に発表された。本作は、ブルックリン地区にあるウォルト・ホイットマン団地付近の公園にビデオカメラを設置し、定点観測的にバスケットボールのコートを撮影したもの。58分におよぶ作品でありながら、全体で2カットのみという大胆な構成が話題を呼んだ。
本作を観たモランは、自身のピアノのサウンドを加えたいとアリ・マルコポロス本人に提案。その後ふたりは、セロニアス・モンク生誕100周年の記念式典や、東京都杉並区にある青木淳の設計による音楽ホール「sonorium」での本作上映を通じて交流を深めた。
「sonorium」での全編上映の際、モランは07年ハンブルグ製のスタインウェイ・フルコンサート・グランドピアノD274での即興演奏を実施。その演奏は録音・レコーディングを経て、本作にミックスされ、サウンド付きの新版『ザ ・パーク』(2017〜18)として誕生した。
18年12月に行われた東京での公開録音には、ピアニストのスガダイローが出席。それから約1年を経て、モランとのコラボレーションの経験もあるスガも即興演奏を行う。アリ・マルコポロスの映画を上映し、モランが演奏したように、本企画では、写真家・石川直樹のビデオを無音でスクリーンに投影し、スガが即興演奏を試みるという。
この企画は、平安京の時代から日本の文化を牽引してきた京都への深いリスペクトから出発し、和歌と返歌の関係を現代風に再構築するもの。アリ・マルコポロスとモランの関係性に呼応して、石川とスガが探る新たな表現に注目が集まる。