TOKASの「OPEN SITE 2019-2020」をチェック。YOFや海野林太郎らが個展を開催
あらゆる表現が集まるプラットフォームの構築を目指し、2016年にスタートしたトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)の企画公募プログラム「OPEN SITE」。第4回目は、YOF(大原崇嘉+古澤龍+柳川智之)や海野林太郎による個展などが選出された。
公募展や企画展、海外派遣などを通じて、国内外のアーティストを段階的・継続的に支援しているトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)。企画公募プログラム「OPEN SITE」は、あらゆる表現が集まるプラットフォームの構築を目指し、2016年にスタートした。
第4回目となる2019年度は、国内外から202企画の応募があった。畠中実や毛利嘉孝ら4名による厳正な審査を経て、展示部門4企画、パフォーマンス部門3企画、OPEN SITE dot部門2企画が選出された。そして現在、前期の「OPEN SITE 2019-2020」Part1が開催中。YOF(大原崇嘉+古澤龍+柳川智之)や海野林太郎による個展のほか、様々なパフォーマンスが、TOKAS本郷で行われている。
YOFは「2D」(=ふたつの空間[Depth])をキーワードに、2次元的な色面で構成された絵画作品を発表。鑑賞者はその色面に注視するとき、画面である矩形が切り抜かれた窓であり、奥の3次元空間とのコントラストが生み出したイメージを見ていることに気付く。この鑑賞を通じて、3次元の実空間と、2次元の色彩によって想起される絵画的空間、ふたつの空間の横断を体験することができるだろう。
いっぽう海野は、一人称視点のゲーム映像をモチーフに、その視点操作を自身の身体にインストールした作品を発表してきた。「風景の反撃 / 執着的探訪」と題された今回の個展では、この手法を用いて各地を撮影した映像群をインスタレーションとして展示。世界をゲーム的に撮影することで風景を歪め、3Dゲーム的な合目的空間を装うものの、次第に映り込む景色や人が一定の目的性に収まらない世界の複雑さや重層性が露呈されていく。
両展に加えて、2月までTOKAS推奨企画や教育普及プログラムを加えた合計12企画を実施。意欲に満ちた企画に注目だ。