長谷川新キュレーションの展覧会シリーズ「約束の凝集」がgallery αMで開催。第1弾は「曽根裕|石器時代最後の夜」
東京・馬喰町のgallery αMは、8月より長谷川新をゲストキュレーターに迎えたシリーズ「約束の凝集」を開催。5名のアーティストが2021年にかけてそれぞれ個展を行う。
毎年4月から約1年にわたって異なるゲストキュレーターによる企画を行ってきたgallery αM。今年度は、新型コロナウイルスによる臨時休館を経て、「約束の凝集」と「わたしの穴 美術の穴」を来年度にかけて行う。
「約束の凝集」はインディペンデント・キュレーターの長谷川新をゲストキュレーターに迎えた展覧会シリーズで、曽根裕、永田康祐、黑田菜月、荒木悠、高橋大輔の5名がそれぞれ個展を開催する。
第一弾となるのは「曽根裕|石器時代最後の夜」(8月29日〜11月14日)。曽根は1965年生まれ。中国、メキシコ、ベルギーで活動を行い、彫刻とそれを用いたパフォーマンス、記録としてのヴィデオを組み合わせた作品で知られている。曽根にとって東京では9年ぶりの個展となる本展は、3点のインスタレーション《The Last Night of the Stone Age》《Birthday Party 1965-2020》《Double Log (Washinoyamatuff)》で構成される。
永田康祐は1990年生まれ。社会制度やメディア技術、知覚システムに着目し、あるものを他のものから区別するプロセスに伴う曖昧さを扱った作品を制作。
黑田菜月は1988年生まれ。写真を主なメディアとして扱い、2013年には第8回写真「1_WALL」でグランプリを受賞した。荒木悠は1985年生まれ。再演・再現・再解釈といった手法を軸に、ある事象や文化的象徴の真正性を問う映像インスタレーションを展開している。
そして高橋大輔は1980年生まれ。完成予想を設定せず、一般的な油絵の概念を超えた厚塗りの絵画を制作する。2016年には埼玉県立近代美術館の企画展「迫り出す身体」で、約70点を超える新作をインスタレーションとして展開。近年は日本の洋画、日本画、書にもアプローチを見せる。
それぞれの会期は、永田が11月27日~21年3月5日、黑田が21年3月16日~21年6月5日、荒木が21年6月18日~21年9月22日、高橋が21年10月2日~21年12月18日。
またその後は、αMプロジェクトの企画による展覧会「αM+」の第2弾として「わたしの穴 美術の穴」が21年1月から3月にかけて開催。「わたしの穴 美術の穴」は、石井友人・高石晃を主要メンバーとするリサーチベースの自主企画展シリーズ。メンバーはこれまで榎倉康二らによる野外展「スペース戸塚 ʼ70」(1970)をリサーチの主な対象とし、2015年から各地で展覧会を開催してきた。
今回はこれまでの検証を踏まえ、より大きな時空間のなかで「穴」を捉え直すため、規定のメンバーに限らないアーティストやリサーチャーとの共同作業を予定。構造の異なる複数の穴が交錯する、多孔空間の出現を目標とする。