2020.8.21

エキソニモからMANGA都市まで。今週末に見たい展覧会ベスト3

先週から今週にかけて始まった展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。予約方法や注意事項については、各館の公式ウェブサイトを参照してほしい。

エキソニモ「UN-DEAD-LINK」(東京都写真美術館)展示風景より
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エキソニモ初の大規模回顧展。「UN-DEAD-LINK」(東京都写真美術館)

 1996年に結成され、インターネットアートの世界を切り開いてきたアートユニット・エキソニモ。その初となる大規模回顧展「UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンク インターネットアートへの再接続」が、恵比寿の東京都写真美術館で始まった。

 エキソニモは、千房けん輔と赤岩やえによって結成されたユニット。デジタルとアナログ、ネットワーク世界と実世界を柔軟に横断しながら、実験的なプロジェクトを数多く手がけてきたことで知られる。

 エキソニモの24年間の活動を概観する初の大規模回顧展である本展には、1996年にエキソニモがインターネットを用いて初めて制作した《KAO》から、世界初公開となる新作《UN-DEAD-LINK 2020》(2020)に至るまで、20点の作品が並ぶ。エキソニモとインターネットアートの歴史を振り返りながら、これからのインターネットアートの可能性を考えることができる展覧会だ。

展示風景より

会期:2020年8月18日〜10月11日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 
電話番号:03-3280-0099 
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし9月21日、22日は開館)、9月23日
料金:一般 700円 / 大学・専門学校生 560円 / 中高生・65歳以上 350円 / 小学生以下無料

ユーモアとダークサイドが共存するポップな彫刻。コムロタカヒロ「Flying mountain」(OIL by 美術手帖ギャラリー)

 彫刻家・コムロタカヒロによる個展が渋谷パルコのOIL by 美術手帖ギャラリーで開催されている。

 コムロタカヒロは1985年東京都生まれ。アニメやキャラクターの造形やデザインを再解釈したその彫刻は、一見ユーモラスな可愛らしさのなかにポップカルチャーが有するダークサイドの要素が垣間見え、キャラクターの向こう側に広がるストーリーを提示する。

 今回の個展「Flying mountain」では、コムロが「彫刻の新たな展開になった」と語る幅2.4メートルに及ぶ巨大レリーフ作品を中心に、木彫やソフビ作品を発表。新たな物語の世界をつくりだす。

コムロタカヒロ Flying mountain 1 #1 2020 ファイバーグラス 131.7×240×16.38cm

会期:2020年8月21日〜9月7日
会場:OIL by 美術手帖
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ2階
電話番号:03-6868-3064
開館時間:11:00〜21:00
休館日:会期中無休
料金:無料

東京からマンガ文化を俯瞰する。「MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020」(国立新美術館)

 2018年11月から12月にかけてパリのラ・ヴィレットで開催された、日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮に関する大規模展「MANGA⇔TOKYO」展。同展の凱旋展が「MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020」だ。

 17×22メートルの巨大な東京の都市模型が展示のイントロダクションとして館内に再構築され、各セクションの展示はこの模型を回廊のように囲うかたちで、500点以上の資料により構成されている。

 『AKIRA』(1982、大友克洋監督)や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ(2007〜、庵野秀明総監督)における東京の崩壊から、『秒速5センチメートル』(2007、新海誠監督)や羽海野チカ『3月のライオン』(2007)で描かれる東京の日常まで、東京という都市を巡る文化史の提示としても興味深い展覧会だ。

展示風景より、「1/1000巨大東京都市模型」とビデオウォール

会期:2020年8月12日〜11月3日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~18:00
休館日:火(9月22日、11月3日は開館)、9月23日
料金:一般 1600円 / 大学生 / 1200円 / 高校生 800円※「日時指定観覧券」もしくは「日時指定券(無料)」の予約が必要。詳しくは展覧会のウェブサイトを参照