初公開作品を中心に。ヴォルフガング・ティルマンスの個展「How does it feel?」がワコウ・ワークス・オブ・アートで開催
ドイツを代表するアーティスト、ヴォルフガング・ティルマンスの個展「How does it feel?」が、東京・六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートで開催。初公開となる最新の写真作品や壁面インスタレーションなどが展示される。会期は11月7日〜12月19日(事前オンライン予約制)。
コロナ禍において、経済的な打撃を受ける文化施設を救うためのポスターキャンペーン「2020Solidarity」を先導するなど積極的な動きを見せたアーティスト、ヴォルフガング・ティルマンス。その個展が、東京・六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートで開催される。会期は11月7日〜12月19日(事前オンライン予約制)。
ティルマンスは1968年ドイツ生まれ。92年にボーンマス&プ ール・カレッジを卒業後、ロンドン・ベルリン・ニューヨークを拠点として身近な友人たちやカルチャー・シーンをカメラに収め、その作品を戦略的にパープル紙やi-Dなどのファッション媒体に掲載しながら従来の写真界の価値体系に一石を投じて注目を浴びた。額装を用いずにプリントを直接壁に貼るものや、多様なモチーフの大小様々な写真を同時に壁面に貼るものなど、独自のインスタレーションで注目を集め、2000年にはターナー賞を受賞。近年は社会的なアクションや音楽活動にも注力している。
ワコウ・ワークス・オブ・アートでは6年ぶりとなる本展のタイトルは「How does it feel?」。コロナ禍で来日できないティルマンスは、海の向こうから「どう感じる?」と、タイトルを通じて語りかける。これは、絶えず人とつながろうとし、他者の存在とその視点を愛おしみ制作の糧としてきたティルマンスの本質(=openness)を象徴するものだ。
本展の中心となるのは、旧作から最新作まで様々な時期に制作された写真作品と、その小ささと写真作品とは異なるコンテンツが展示全体に軽快なリズムを与える雑誌のページ。また2018年にベンジャミン・ブリテンの合唱曲《War requiem 戦争レクイエム》の舞台美術を手がけた際に旅程で撮影した写真作品や、コロナ禍のさなかにリリースされ、Youtubeの公式チャン ネルでも公開されている新曲《Life Guarding》(2020)の縦バージョンの映像と、コロナによる中断を挟んでベルギー・ブリュッセルのWIELSで延長開催された個展でも展示されたばかりの《Tag ein Trip(One day Trip)》(2020)の映像作品も展示される。