最初の緊急事態宣言から1年。早稲田演博がコロナ禍で中止・延期となった公演資料の現物を展示へ
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、2021年度春季企画展として「Lost in Pandemic―失われた演劇と新たな表現の地平」を開催。コロナ禍の渦中にある演劇を記録した公演資料の現物展示を行う。会期は5月17日から。
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館は、2021年度春季企画展として「Lost in Pandemic―失われた演劇と新たな表現の地平」を5月17日から開催すると発表した。
本展は、コロナ禍の影響を受けた演劇を記録した公演資料の現物展示を行うというもの。同館では昨年4月7日に発令された緊急事態宣言を受け、中止・延期となった公演の調査を開始。6月には関連資料収集の呼びかけを行い、宣言から半年後の10月7日には、オンライン展示「失われた公演―コロナ禍と演劇の記録/記憶」を公開し、古典芸能から現代演劇まで、数多くの団体から寄せられた多種多様なチラシやその公演情報、関係者からのコメントなどを掲載した(オンライン展示は現在も公開中)。
本展はこのオンライン展示に次ぐもので、コロナ禍によって失われた公演や新たな表現の可能性に光をあてるとともに、過去の疫病や感染症を演劇がどう描いてきたかを示す館蔵資料も発掘・紹介。コロナ禍の影響下にある「いま・ここ」を、演劇という視座から記録し、未来に伝えることを目指すという。
なお同館はこの展示に先駆け、日本初の「現代演劇・舞踊・伝統芸能」の3分野にわたる舞台公演映像の情報検索特設サイト「Japan Digital Theatre Archives(JDTA)」を3月に公開。コロナ禍において大きな影響をいまも受け続ける演劇界を支える取り組みを次々と行っている。