ピピロッティ・リストから静嘉堂文庫美術館の「旅立ち」まで、今週末に見たい展覧会ベスト3
今週末にスタートする展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお予約方法や開館情報など最新情報は、各館公式サイトを参照してほしい。
身体を通して映像を感じ取る。「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island-あなたの眼はわたしの島-」(京都国立近代美術館)
スイスを拠点に、ヴィデオ・インスタレーションを多く手がけてきたピピロッティ・リスト。その日本国内の美術館では13年ぶりとなる大規模個展「ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island-あなたの眼はわたしの島-」が4月6日、京都国立近代美術館で開幕した。
本展は身体、女性、自然、エコロジーをテーマにした約40点で構成。初期作品や、フェミニズムの記念碑的作品として知られる《永遠は終わった、永遠はあらゆる場所に》(1997)では、女性の身体に焦点を当てたその鮮やかな世界観を見ることができる。
またリストが「この場で色々なボディポジションをとって作品を体験」してほしいと語る通り、ベッドに横たわって映像を鑑賞する作品や、家具の表面にイメージを投影する「アパートメント・インスタレーション」などが並ぶ。身体を解放し、リストの映像世界のなかに入り込んでみてほしい。
会期:2021年4月6日~6月13日
会場:京都国立近代美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝町
電話番号:075-761-4111
開館時間:9:30〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし5月3日は開館)
料金:一般 1200円 / 大学生 500円 / 高校生以下無料
4G(4世代)を通して見る日本の現代美術。「Oketa Collection: 4G」(スパイラルガーデン)
2019年以降、定期的にスパイラルガーデンでコレクションを展示してきたコレクターの桶田俊二・聖子夫妻。同スペースでは3回目となる展覧会「Oketa Collection: 4G」が、4月8日にスタートした。
タイトルの「4G」は、4世代(Generation)を意味する言葉。今回はジャデ・ファドジュティミ、五木田智央、花井祐介、平子雄一、井田幸昌、加藤泉、KYNE、松山智一、バリー・マッギー、アドリアナ・オリバー、ロッカクアヤコ、TIDE、山口歴という、1960~90年代生まれの13作家の作品が並ぶ。
なかでも注目したいのは、吹き抜けの空間を生かした加藤泉の展示。2018年の個展「LIKE A ROLLING SNOWBALL」(原美術館)にも出展された立体などを含め、大規模なインスタレーションを見ることができる。
会期:2021年4月8日〜25日
会場:スパイラルガーデン
住所:東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F
開館時間:11:00〜20:00
休館日:会期中無休
料金:無料
国宝7点を展示。「旅立ちの美術」(静嘉堂文庫美術館)
東京・世田谷の静嘉堂文庫美術館は、岩﨑彌之助(1851~1908)と岩﨑小彌太(1879~1945)の父子二代によって設立。国宝7点、重要文化財84点を含む、20万冊の古典籍(漢籍・和書)と6500点の東洋古美術品を収蔵している。
同館は2022年、丸の内の明治生命館に展示ギャラリーを移転予定。これに際して、4月10日から移転前最後となる展覧会「旅立ちの美術」が開催される。本展では、コレクションから《曜変天目》《禅機図断簡 智常禅師図》などの国宝7点をすべて展示するほか、後期には重要文化財《聖徳太子絵伝》を修理後初公開。静嘉堂の歩みを振り返る機会となる。
会期:4月10日~5月9日(前期)、5月11日~6月6日(後期)
会場:静嘉堂文庫美術館
住所:東京都世田谷区岡本2-23
電話番号:03-3700-2250
開館時間:10:00~16:30(入館は閉館30分前まで)
休館日:月(ただし5月3日は開館)、5月6日
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 700円