東京ビエンナーレ2020/2021からフランソワ・ポンポンまで。今週末に見たい展覧会ベスト3
今週スタートした展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。
市民が主導する芸術祭。「東京ビエンナーレ2020/2021」(東京都心北東エリア)
「東京」のまちを舞台に2年に1度開催される国際芸術祭「東京ビエンナーレ」。2020年の延期を乗り越えて開催される東京ビエンナーレ2020/2021は「見なれぬ景色へ ―純粋×切実×逸脱―」をテーマに、東京都心北東エリアの各所で幅広いジャンルの作品や、観客参加型のインスタレーションの展示、またトークやイベントなどを行う。
本祭は、アートや建築、デザイン、ファッション、テクノロジーなどのジャンルが交差する「アーツプロジェクト」、国内外アーティストたちが、東京にダイブし社会と深くかかわっていく「公募プロジェクト ソーシャルダイブ」、そして、アートがコミュニティに介入し、人を育む育成プログラムとしても機能する「ソーシャルプロジェクト」の3つを柱とする。
まちに深く入り込み、地域の人々とともにつくり上げる共創型の新しい芸術祭。都心北東エリアを「見なれぬ景色へ」と変え、あらゆる感覚を刺激するような場をつくり出す。
会期:2021年7月10日~9月5日
会場:東京都心北東エリア(千代田区、中央区、文京区、台東区の4区にまたがるエリア)
住所:東京都千代田区外神田6-11-14(アーツ千代田 3331)
電話番号:03-5816-3220(一般社団法人東京ビエンナーレ)
開館時間:各会場によって異なる
料金:パスポート 一般 2500円 / 学生 1900円
個別鑑賞券 一般 500円 / 学生 350円
日本初の回顧展。「フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家」(京都市京セラ美術館 本館 北回廊2階)
20世紀初頭のアール・デコ期に活動した動物彫刻家、フランソワ・ポンポン。その全貌に迫る日本初の回顧展「フランソワ・ポンポン展 動物を愛した彫刻家」が京都市京セラ美術館でスタートした。
本展は、ポンポンの無名時代から、1922年のサロンで大絶賛を受けた《シロクマ》を生み出し、名声を確立していくまでの作品と生涯を回顧。ポンポン最大の支援者であったディジョン市のディジョン美術館や、出生地ソーリューにあるフランソワ・ポンポン美術館、パリのオルセー美術館、そして国内でまとまった数のコレクションを有する群馬県立館林美術館からの作品約90点で構成されている。
オルセー美術館に実物大があるシロクマをはじめ、ユーモラスなオラン・ウータンの表情、茶目っ気のあるペリカン、あくびをするカバなど、動物たちの生態を詳しく観察したうえで制作され、極限まで細部をそぎ落とし抽象化されつつも愛らしさを残す多様な作品を展覧している。
会期:2021年7月10日~9月5日
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊2階
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00
休館日:月(祝日は開館)
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1200円 / 小中学生 800円 / 未就学児無料
新作の絵画群も。「会田誠展『愛国が止まらない』」(ミヅマアートギャラリー)
ミヅマアートギャラリーでは会田誠の5年ぶりとなる個展「愛国が止まらない」が、7月7日にスタートした。
当初、2020年夏に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックにあわせ企画された本展。それぞれ制作動機は異なりつつ、日本への断ちがたい会田の思いを題材とした3作品を一堂に紹介している。
兵站の軽視により飢餓に直面することが多かった旧日本軍の兵士がモチーフに、素材や技法は青森のねぶたを参考としてつくられた《MONUMENT FOR NOTHING V〜にほんのまつり〜》は、東京では初公開。巨大な日本兵の亡霊が見下ろすギャラリーの壁には新作の絵画シリーズ「梅干し」が展示。加えて、個展の会期が1年延期されたことで取り組んだ、「漬物」を題材にしたコンセプチュアルなもうひとつの新作も発表されている。
タイトルに冠した「愛国が止まらない」という言葉は会田の真情なのか、それともアイロニーなのか、作品を前に一考してみてほしい。
会期:2021年7月7日~8月28日
会場:ミヅマアートギャラリー
住所:東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル 2F
電話番号:03-3268-2500
開館時間:12:00~18:00 ※オンラインでの事前予約が必要。詳細・最新情報は公式ウェブサイトへ
休館日:日、月、祝、8月8日〜16日(夏季休廊)
料金:無料