「Reborn-Art Festival」から篠山紀信の回顧展まで、今週末に見たい展覧会ベスト3
今週開幕した展覧会と8月15日までに終了する展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。なお緊急事態宣言のため、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。
東日本大震災から10年。「Reborn-Art Festival 2021-22」
2017年から宮城県石巻市・牡鹿半島を中心に行われてきた、アート・音楽・食の総合芸術祭「Reborn-Art Festival」。その3回目の21年夏会期が、8月11日にスタートした(9月26日まで)。なお今年は会期を2つに分け、22年春会期は2022年4月23日~6月5日となる。
今回のテーマは「利他と流動」。東日本大震災から10年という節目の年に、地域の内側からの復興と新たな循環を生み出すという目的の集大成を目指す。総合プロデューサーは小林武史が務め、アートに関する企画はインディペンデント・キュレーターの窪田研二が担当する。
展示は、⽚⼭真理や⻄尾康之、MESなどもっとも多くの作家が集まる石巻市街地、会田誠、オノ・ヨーコ、加藤翼の3人が参加する女川、サエボーグほか5組が参加する桃浦、「ホワイトシェルビーチ」のある荻浜、そして前回から継続して志賀理江子がプロジェクトを実施する小積の5エリアで展開(春会期は石巻市のみ)。また名和晃平《White Deer (Oshika)》など、常設作品の数々もあわせて楽しみたい。
会期:2021年8⽉11⽇〜9⽉26⽇(夏)、2022年4⽉23⽇〜6⽉5⽇(春)
会場:宮城県⽯巻市街地、牡⿅半島(桃浦、荻浜、⼩積、鮎川)、⼥川駅周辺(春会期は宮城県⽯巻地域)
休祭日:8⽉18⽇、9⽉1⽇、15⽇
パスポート料金(当日):一般 3500円 / 高校・専門・大学生 3000円 / 宮城県民 2000円 / 中学生以下無料
60年以上のキャリアを振り返る。「新・晴れた日 篠山紀信」(東京都写真美術館)
1960年代から活動を続ける篠山紀信のキャリアを通覧する回顧展「新・晴れた日」が、東京都写真美術館で8月15日に終了する。
第1部では、60年代を代表する「誕生」「晴れた日」シリーズに加え、1976年のヴェネチア・ビエンナーレにも出品された「家」など、70年代までの主要作品を展示。第2部は80年代以降に写真集で発表された作品を中心に、92年から現在も『BRUTUS』で連載が続く「人間関係」、東京オリンピックに向けた東京の変化をとらえた「TOKYO 2020」までを紹介する。
多岐にわたる篠山のテーマや表現手法を、計116点の作品で総覧する本展。多様な作品からは、60年という長いキャリアのなかで一貫して時代を克明にとらえようとする姿勢を感じることができるだろう。
会期:2021年5月18日〜8月15日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1200円 / 学生 950円 / 中高生・65歳以上 600円
※オンラインによる日時指定予約(推奨)
世界中の絵本原画を楽しむ。「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」(板橋区立美術館)
イタリア・ボローニャのブックフェア「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」が主催する絵本原画の国際コンクールから入選作品を展示する「2021イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」が、板橋区立美術館で8月15日に閉幕する。
同ブックフェアは、毎年春の児童書専門の見本市として1964年にスタート。コンクールでは国籍の異なる5人の審査員が毎年入れ替わり、実験的な試みを積極的に受け入れている。新人作家の登竜門としても知られ、技法やテーマも様々な絵本原画が集結。今年は世界23ヶ国・76作家の作品を展示する。
また本展の会期にあわせ、美術館に寄贈されたレオ・レオーニの作品を特別展示。日本では『スイミー』『フレデリック』などの絵本で知られるレオーニの多彩な足跡を知る機会となる。
会期:2021年7月17日~8月15日
会場:板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27
電話番号:03-3979-3251
開館時間:09:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 650円 / 大学・高校生 450円 / 小・中学生 200円 / 土曜日は小中高生無料