片岡真実、金澤韻、服部浩之が学生とつくりあげる学生選抜展。国立新美術館で開催へ
京都芸術大学と東北芸術工科大学の学生選抜展「DOUBLE ANNUAL 反応微熱—これからを生きるちから—」が、国立新美術館にて開催される。総合ディレクターに片岡真実(森美術館館長)を迎え、キュレーションは金澤韻と服部浩之が共同で行う。会期は2023年2月25日〜3月5日。
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京都芸術大学と東北芸術工科大学の学生選抜展「DOUBLE ANNUAL 反応微熱—これからを生きるちから—」が、2023年2月25日〜3月5日に国立新美術館で開催される。片岡真実を総合ディレクターに迎え、インディペンデント・キュレーターの金澤韻と服部浩之が共同でキュレーションを行うという。
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「DOUBLE ANNUAL」は京都芸術大学が2017年度より挑戦してきた実践的な芸術教育プログラム。全学部生と院生を対象に募集、選抜された学生が、第一線で活躍するキュレーターと対話を重ねて展覧会をつくりあげるものだ。
本展示の2ヶ月前には、招聘するキュレーターを講評者に迎えたプレビュー展(中間発表)の機会を設けており、作品はもちろんその展示方法について直接指導を受けることができる。本展示までに改良や改善の道筋が明確になる、非常に教育的効果の高い構成となっているという。
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6年目を迎える今回は、姉妹校である東北芸術工科大学からも学生選抜を行うプロジェクトに発展。京都と山形という異なる地点から芸術教育のあり方を問い直し、「アートになにができるのか」を問いかける。
そんな今回の展示プランの募集に先立ち設定されたキーワードは、「抗体・アジール・ミラクル」だったという。免疫のもとになる物質「抗体」と世俗権力の及ばない避難所「アジール」は、ともに周囲からの影響・刺激・働きかけへの応対に関するターム。「ミラクル」は、問題解決の方法がアートの実践として示されることへの期待を込めた言葉だった。
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置かれた場所や心を動かされるもの、違和感や社会的課題に対して注意深く真摯に向き合う姿勢が反映された数多くの募集から選ばれた今回のテーマは、化学反応において発生する熱という意味の言葉「反応熱」。
11組16名の参加アーティストは本展において、自らをとりまく世界から受けたさまざまなものに、アートをもって応答する。微かながら確かに熱を持つ作品からは、状況をとらえる感性とこれからを生きる強さを感じることができるだろう。