メタバースならではの国宝体験。バーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」が開催
メタバース空間上に開設した「バーチャル東京国立博物館(以下 バーチャルトーハク)」において、東博所蔵の国宝89件をバーチャル空間で紹介するバーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」が開催される。会期は2023年1月17日〜3月31日。
東京国立博物館と凸版印刷株式会社は、メタバース空間上に開設した「バーチャル東京国立博物館(以下 バーチャルトーハク)」において、同館所蔵の国宝89件をバーチャル空間で紹介する展示「エウレカトーハク!◉89」を開催する。会期は2023年1月17日〜3月31日。
本展は日本美術の鑑賞ポイントを海外の鑑賞者などにわかりやすく伝えるため、3部構成で東京国立博物館所蔵の国宝のさまざまな解釈を提示。多様な手法でその魅力や特長をバーチャル上で紹介するものだ。
まず第1部「国宝を《知る》」(2023年1月17日~3月31日)では、東京国立博物館所蔵の全89件の国宝をメタバ―スの中で見ることができる。時代に応じて分けられた4つの部屋で、多岐にわたる国宝を「彩り」「うた」「素材」「季節」などのキーワード毎に表示して鑑賞可能。日本美術や国宝の特長の解説とともに楽しめる。
加えて、凸版印刷が東京国立博物館との共同プロジェクトで制作したVR作品の映像の一部を活用し、作品画像と合わせて表示することで、実物を鑑賞するだけでは体験できない作品の楽しみ方を初心者にもわかりやすく伝えるという。
第2部「国宝に<親しむ>」(2023年2月7日〜3月31日)では、凸版印刷が企画制作、東京国立博物館が監修した三次元CGにより、ふたつのメタバース上の展示室で国宝の世界観を表現。アバターが国宝の中に入り込んだかのような体験が可能となっている。
展示室1は東京国立博物館を代表する国宝・長谷川等伯筆《松林図屛風》をテーマとしたバーチャル展示室で、等伯が描いた松林の風景を表現する。また、長谷川等伯は墨1色の濃淡のみで、松林の遠近感を表現したが、空間内に配置された松の一部を動かしてみることで、長谷川等伯による疎密の配置の妙や濃淡のみで表現された松林の遠近感などを体感できる。
展示室2は尾形光琳の《八橋蒔絵螺鈿硯箱》をテーマとしたバーチャル展示室だ。作品のテーマである「伊勢物語」の「三河国八橋」の情景を表現し、空間に置かれた文字を集めることで「伊勢物語」の主人公が詠んだ和歌を完成させたり、アバターとして硯箱の内部に入りながら、光琳が表現した世界に没入することができる。また、硯箱の内部では光琳が硯箱内外に施したデザインが透け重なって表示されることで、硯箱全体のデザインを鑑賞できる。
第3部「国宝と《つながる》」( 2023年3月3日~3月31日)では、たかくらかずきを始めとした現代美術家が新しい感覚で東京国立博物館所蔵の国宝作品を再解釈した作品を展示。日本美術の魅力を再発見することを目指す。
なお、これらのアート作品はNFTとして2023年3月3日から販売を開始する予定で、特設サイトのリンクから購入可能することができる。なお、NFTの販売収益の一部は東京国立博物館に還元。その運営や文化財保全等に活用される。