香取慎吾から百瀬文、山川冬樹の個展まで。今週末見たい展覧会ベスト6
今週開幕/閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。
3年ぶりの個展。「WHO AM I ーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー」(渋谷ヒカリエ)
2019年の18万人超を動員した日本初個展以来、香取慎吾の国内2度目、3年ぶりとなる個展「WHO AM I ーSHINGO KATORI ART JAPAN TOURー」が、渋谷ヒカリエ ホールAでスタートした。
香取は17年に日本財団主催の展覧会「ミュージアム・オブ・トゥギャザー」をきっかけに、本格的に制作活動を開始。これまで「NAKAMA des ARTS」(カルーセル・デュ・ルーヴル、2018)をはじめ、「BOUM! BOUM! BOUM!」(IHIステージアラウンド東京、2019)などの個展を開催してきた。本展では、初公開の約100点を含む合計200点の作品が一堂に公開。会場は闇と光の2エリアによって構成されている。
本展では、初公開の約100点を含む合計200点の作品が一堂に公開。会場は闇と光の2エリアによって構成されている。
会期:2022年12月7日〜2023年1月22日
会場:渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホール ホールA
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F
電話番号:0570-06-1234(10:00〜18:00)
開館時間:月火水木 12:00〜19:00 / 金 12:00〜20:00 / 土 11:00〜20:00 / 日祝 11:00〜18:00 ※ただし、12月28日〜1月3日は11:00〜20:00 ※入場は閉場の30分前まで
休館日:1月1日
料金:一般 2300円 / 中高生 1300円 / 小学生以下 無料 ※ただし、土日祝および12月28日〜1月3日は一般 2500円 / 中高生 1500円
国内初の大規模個展。エリック・ヘイズ「INSIDE OUT」(SAI)
1970年代よりアメリカのグラフィティシーンを牽引し、ストリートアートのパイオニアとして多くのファンを持つアーティスト兼デザイナー、エリック・ヘイズ。その国内初となる大規模個展「INSIDE OUT」が渋谷のSAIで開幕した。
ヘイズはニューヨーク出身。1970年代に「SE3」の名前でグラフィティアーティストとしてキャリアをスタート。ビースティ・ボーイズやトミー・ボーイズなどのロゴ、アルバムカバーなどを数多く制作し、2000年代からはアート作品の制作を本格化させた。
新作が並ぶ本展は、ヘイズにとってのシグネチャースタイルともいえる星や矢をモチーフとした記号を用いた作品と、師であるエレイン・デ・クーニングの精神を引き継ぐように描き始めた、これまでの自身の人生を振り返るような具象作品を展覧する。またゲストアーティストとして迎えるHAROSHIとのコラボレーション展示も見どころとなっている。
会期:2022年12月9日~12月25日
会場:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 MIYASHITA PARK SOUTH 3F
電話番号:03-6712-5706
開館時間:11:00~20:00
休館日:会期中無休
料金:無料
「声」に向き合う展覧会。百瀬文「口を寄せる」(十和田市現代美術館)
十和田市現代美術館では、アーティスト・百瀬文の個展「口を寄せる」がスタートする。百瀬は1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主に映像作品を手がけ、他者とのコミュニケーションのなかで生じる不均衡をテーマに身体・ セクシュアリティ・ジェンダーをめぐる問題を追究してきた。
本展では、女性声優をテーマにした新作サウンド・インスタレーション《声優のためのエチュード》を発表。また、耳の聞こえない女性と耳の聞こえる男性とのふれ合いに生じるすれ違いが映し出される《Social Dance》や、百瀬の父が娘に書いた173問の質問項目に口頭で答えていくなかで、その回答が父親の意志から離れていく《定点観測(父の場合)》など、性別や世代の異なる他者との関係やその背後にある見えない存在や抑圧が映し出された作品も展覧される。
会期:2022年12月10日~2023年6月4日
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
電話番号:0176-20-1127
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月(祝日の場合は翌火)、年末年始
料金:1800円(常設展込み) / 高校生以下無料
初の絵画作品を展示。山川冬樹 個展「Frozen Screams 凍れる叫声」(SNOW Contemporary)
ホーメイ歌手、アーティストとして国内外で活躍する山川冬樹の個展が、麻布のSnow Contemporaryでスタートする。
本展では「Sceamology(叫声学)」の視点から、2022年8月に水戸市のARTS ISOZAKIの個展にて発表したタブロー作品8点に、新作を加えて展示。山川は今回、キャンバスを支持体としてではなく「共鳴体」として扱い、大理石の粒子を敷いた画布に社会的・政治的文脈で発せられた人間の叫び声を響かせ、その振動から現れた模様を樹脂で固めるという手法によって作品を制作した。一貫して「声」と「身体」に向き合ってきた作家にとって、初の絵画作品となる「Frozen Scream」シリーズに注目だ。
会期:2022年12月10日~2023年2月10日
会場:SNOW Contemporary
住所:東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
電話番号:03-6427-2511
開館時間13:00~19:00
休館日:日月火祝、2022年12月25日〜2023年1月10日(冬季休廊)
料金:無料
初のコラボレーション作品を展示。ヨーガン・アクセルバル、井田幸昌「LUNAR ECLIPSE」(MAKI Gallery 天王洲)
MAKI Galleryでは、写真家のヨーガン・アクセルバルと現代美術家の井田幸昌による2人展「LUNAR ECLIPSE」がスタートする。
スウェーデン生まれのヨーガン・アクセルバルは、15年間住んでいたニューヨークを離れたのち、2011年より日本を拠点に国際的に活動。人物を主な被写体に据えるその作品は、私たち人間の本質やそれを取り巻く環境の性質についての深い洞察を提示している。いっぽうの井田幸昌は、マーケットで高い注目を集める作家のひとりであり、絵画にとどまらず、彫刻や版画にも及ぶ幅広い制作活動のなかで、一貫して「一期一会」をコンセプトに表現している。
MAKI Gallery 天王洲 I・II の両スペースにわたって展開される本展では、2人の作家それぞれの作品に加え、互いにとって初の試みとなるコラボレーション作品が披露される。
会期:2022年12月10日~2023年2月8日
会場:MAKI Gallery / 天王洲, 東京
住所:東京都品川区東品川1-33-10
電話番号:03-6810-4850
開館時間11:30~19:00
休館日:日月
料金:無料
織物の産地で見つめるテキスタイルの可能性。「FUJI TEXTILE WEEK」(富士吉田市内)
1000年以上続く織物産業の歴史を有する織物の産地・山梨県富士吉田市を舞台にした「FUJI TEXTILE WEEK」が12月11日まで開催されている。本展は、テキスタイルをテーマとしたアート展「織りと気配」と、産地の歴史や現代のテキスタイルシーンをひも解く産地の展示会「WARP&WEFT」の2つを組み合わせたハイブリッドな展覧会。
アート展「織りと気配」の参加アーティストは、安東陽子、落合陽一、Sigrid Calon、高須賀活良、HELENE LAUTH、村山悟郎、YUIMA NAKAZATO(五十音順)。アーティストたちがテキスタイルを素材にした作品や、機屋との共同作業でつくり出したユニークな作品が、喫茶店跡地や寺社などで展開されており、ここだけの景色をつくり出している。
会期:2022年11月23日〜12月11日
会場:山梨県富士吉田市下吉田本町通り周辺地域
開館時間:10:00〜16:00(土日祝〜17:00)※入場受付は終了時間の30分前まで
休館日:月火(期間中の水~日のみ開館)
料金:アート展「織りと気配」一般 1000円(富士吉田市民、高校生以下 入場無料) / 産地展「WARP&WEFT」入場無料