「まかない家具」とは何か。T-HOUSE New Balanceでスキーマ建築計画の長坂常によるキュレーション展が開催
「T-HOUSE New Balance」で、現場の工事中の大工がつくる即席家具「まかない家具」に焦点を当てた、長坂常によるインスタレーション「まかない家具展」が開催される。
東京・浜町の「T-HOUSE New Balance」で、建築家でありスキーマ建築計画代表の長坂常によるインスタレーション「まかない家具展」が開催される。会期は2月18~ 28日。
長坂は1998年、東京藝術大学卒業後にスキーマ建築計画を立ち上げ。家具から建築、町づくりまで幅広い設計を手がけてきた。代表作にBLUE BOTTLE COFFEEの清澄白河店や京都店、五反田の桑原商店、表参道のHAY TOKYOなど。
最初に「まかない家具」という名が最初に生まれたのは、長坂がT-HOUSE New Balanceの工事を監理している際、大工が造作の貫を利用して掃除用具置場をつくっているのを見たときだったという。
「まかない家具」とは、現場の工事中の大工が、あり合わせの材料で手間をかけずにつくった家具を名づけたもの。相欠(あいがき)でつくられたベニヤの作業台などがあり、あくまで純粋に機能を求めるものとしてつくられているとことに、長坂は魅力を感じているという。
また「まかない家具」は海外の現場においても存在し、それぞれの国における「手間」のとらえ方やそこにある材料が異なるため、そのあり方も異なるという。
今回は「まかない家具」の名が生まれたT-HOUSE New Balanceを再び制作現場とし、今後の展示のための什器を制作する場所とした。そのうえで、制作過程において必要となる「まかない家具」をつくり、そのまま展示する。
開催に際して、2月6日~17日の平日はT-HOUSE New Balanceの通常営業を取りやめ、長坂の制作アトリエとなる。また、2月11日、12日の2日間は、その製作過程を一般公開するとともに、通常の営業を行うという。