座間市が市役所内で「生きづらさ」に耳を傾ける現代美術展。鈴木康広の作品を展開
座間市役所で、現代美術家・鈴木康広の展覧会「空気の人/分光する庭」が開催される。会期は2月20日〜26日。
神奈川県中部に位置する座間市の市役所1階ロビーと7階展望フロアで、現代美術家・鈴木康広の展覧会「空気の人/分光する庭」が開催される。会期は2月20日〜26日。
これまで生活困窮者自立支援事業の施行を契機に、地域の人々と協力しながら「断らない相談支援」に取り組んできた座間市。こうした市しの姿勢の新たな表明として、福祉的な支援を受けていなくとも、生きづらいと感じる人々の存在の認知のための取り組みとして、本展覧会は企画されている。
鈴木康広は1979年静岡県生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。2001年東京造形大学卒業後、船の航跡が海や川を開く《ファスナーの船》や、地球の引力を「遊び」に変換する《りんごのけん玉》など、水、空気、重力や身近な工業製品を媒介に、人間と自然を新たな視点から接続する作品を制作してきた。おもな個展に水戸芸術館「近所の地球」(2014)、箱根彫刻の森美術館「始まりの庭」(2017)。
鈴木は見慣れたものや何気ない自然現象を独自の「見立て」によってとらえ直し、通常は結びつかない物事のあいだに新たなつながりを発見する活動を続けている。作品を通して世界を見ることでそれまで気に留めていなかった些細な出来事が新鮮に感じられること、また自身が世界の限られた側面にしか触れられていないことに気づくことなど、本展では鈴木の作品の持つこうした側面が、市民の新たな認知の契機になると期待されいてる。
展覧会では市役所1階ロビーに代表作《空気の人》を浮かばせるとともに、展望フロアに作品を展示。また、座間市在住の参加者とのワークショップをもとに協働制作した作品《分光する庭》を展開する予定だ。