2025.2.20

日本科学未来館、新常設展を4月に公開。量子コンピュータと宇宙研究の最前線がテーマ

4月23日から日本科学未来館で新たな常設展示が公開される。「量子コンピュータ・ディスコ」と「未読の宇宙」という2つの展示では、最新の科学技術を体験型展示を通じて学べる内容となる。

新展示の空間イメージ
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 今春、新たな常設展示の公開を予定している日本科学未来館。その展示タイトルを含む概要が発表された。

 「量子コンピュータ・ディスコ」と「未読の宇宙」というタイトルの2つの展示は、最前線の科学技術を体験型展示を通じて楽しみながら学べる内容となるという。公開は4月23日に始まる。

 「量子コンピュータ・ディスコ」は、量子コンピュータのプログラミングを音楽とダンスフロアを使った体験を通じて学べる展示。来場者が好きな音楽を選び、ダンスフロアで音楽を重ね合わせたり、曲を選んだりする操作を行うことで、量子力学の原理を自然に理解することを促す。

「量子コンピュータ・ディスコ」の外観イメージ

 また、展示では「量子ビット集積回路チップ」の実物も展示される。このチップは、理化学研究所量子コンピュータ研究センターが開発中のもので、研究機関外で見ることのできる貴重な機会となる。さらに、量子コンピュータのしくみやその歴史を学ぶコーナーも設けられ、漫画や映画などを通じて、一般の人々にも量子コンピュータが身近に感じられるような工夫が施されている。難解だと思われがちな量子コンピュータを、わかりやすく親しみやすく展示することを目指している。

「量子コンピュータ・ディスコ」の展示空間イメージ

 もうひとつの展示「未読の宇宙」は、研究者たちがどのように宇宙を理解しようとしているのかを提示するもの。巨大な観測・実験装置を駆使して行われる宇宙の研究が、来場者にその壮大さと緻密さを実感させる。また、いくつかのデータを組み合わせて複合的に宇宙を理解する「マルチメッセンジャー天文学」を紹介し、音と映像によって展示空間全体が囲まれることで、観客はリアルな宇宙の姿を感じることができるだろう。

「未読の宇宙」の外観イメージ

 「未読の宇宙」の展示では、ニュートリノ観測や重力波の観測、目に見えない光による宇宙観測、粒子加速器実験など、最先端の天文学や素粒子物理学の知識に触れることができる。また、AIを使った対話型展示も行われ、来場者は宇宙に関する質問をAIキャラクターたちに投げかけることが可能。このインタラクティブな体験は、参加者にとって学びの楽しさを一層引き立てるだろう。

「未読の宇宙」の展示空間イメージ