2017.4.27

何かが起こる! あの「パープルーム」がワタリウム美術館で展覧会を開催

ネット空間から絵画空間、批評空間までを行き来する美術の共同体「パープルーム」がワタリウム美術館で18日間の展覧会「恋せよ乙女! パープルーム大学と梅津庸一の構想画」を開催する。会期は6月1日〜18日。

パープルーム予備校。中央が主宰の梅津庸一 撮影=菊池良助
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 SNSを通じて全国から集まった若者が共同生活を営む私塾「パープルーム予備校」は、2013年に誕生し、ネット空間から絵画空間、批評空間までを行き来する美術の共同体「パープルーム」の活動拠点。同校を主宰する美術家・梅津庸一は、自宅で私塾を開き、SNSなどを介して全国から若者を集め、共同生活を営みながら、美術と共同体の新しいかたちを模索している。

KOURYOUによるパープル―ムウェブサイトより

 本展は、数百点に及ぶ様々なタイプの作品やその副産物、関連資料によってパープルームが網羅的に紹介されるもの。また、通常の展覧会とは異なり、会期中にパープルームの作家たちが会場で生活したり、突発的なレクチャーが催されたりと、絶え間なく何かが起こり続ける。

 なお、本展タイトルに冠された「構想画」について、梅津は以下のようなテキストを寄せている。

かつて黒田清輝は日本に「構想画」という概念を根付かせようとしたがあまり上手くいかなかった。そもそも構想画という語に対応する概念が西洋には存在するのかすらあやしい。もし現在、構想画というものがあり得るのだとしたらそれは洋画という体裁をとらないだろう。それは一点の達成としてではなく出自や生息地の違うものたちの生態系の緩やかな連帯や継ぎ目を含めた地勢図としてバラバラなまま統合され出現する。パープルームとは構想画である。