香港のアートセンター「CHAT」、高橋瑞木がエグゼクティブディレクターに就任
2019年、香港に開館したアートセンター「CHAT(チャット / Centre for Heritage, Arts and Textile)」が、現在同センターの共同ディレクターを務めている高橋瑞木をエグゼクティブディレクター兼チーフキュレーターに任命することを発表した。
2019年3月に香港に開館したアートセンター「CHAT(チャット / Centre for Heritage, Arts and Textile)」で、同センター共同ディレクター・高橋瑞木がエグゼクティブディレクター兼チーフキュレーターに就任することが発表された。共同ディレクターの張晶晶(テオ・チンチン)は、2020年3月末をもって辞任する。
高橋は早稲田大学大学院で美術史専攻を修了後、ロンドン大学東洋アフリカ学学院を修了。森美術館準備室を経て2003年から16年まで水戸芸術館現代美術センターで主任学芸員として勤務し、マンガや映画、ファッション、建築、パフォーマンス、現代アートを融合させた学際的な展覧会を担当。17年3月末からCHATで共同ディレクターを務めてきた。
CHATは、香港・荃湾(ツェンワン)にある南豊紡織の紡績工場跡地をリノベーションした、文化とビジネスの複合施設「The Mills(ザ・ミルズ)」の遺産保護プロジェクトの一環だ。展覧会や共同学習プログラムなどを通じ、香港のテキスタイル産業の精神や、現代アート、デザイン、遺産、コミュニティを織り交ぜた体験を提供することを目指している。
今回の就任について、高橋はこうコメントしている。「香港の新しいアート、そして新しい文化施設を見出せたことは大きな喜びであり、晶晶と一緒に成功したことを大変嬉しく思います。私たちは、都市のテキスタイル産業の遺産から学ぶことは多くあると強く信じています。CHATは、過去と現在をつなぐために新鮮な視点を提供しており、産業遺産を現代のアートやデザインとつなぐことで、人々がより良い未来を築くために貢献できるでしょう」。
The Millsの創設者・張添琳(ヴァネッサ・チャン)は「オープン以来、瑞木と晶晶はCHATを成功に導いた」と評価しながら。「次の段階では、瑞木はチームメンバーとともに、高品質の展覧会と共同学習プログラムを提供し、香港のテキスタイル産業に関連したイノベーションの精神をさらに拡大します」と期待を寄せる。