ポンピドゥー・センター、2023年から約3年間の工事休館に。バリアフリー化などインフラを整備
パリのポンピドゥー・センターが、2023年末から26年末まで約3年閉鎖することを発表。安全性やアクセシビリティを向上させるため、建物の全面改修を行うという。
新型コロナウイルス第2波の影響で昨年10月末より休館を続けているパリのポンピドゥー・センターが、建物の全面改修のため2023年末から26年末まで約3年閉鎖することを発表した。
同館会長のセルジュ・ラヴィーニュは声明文で、この決定について次のように説明している。「今回の工事は、ポンピドゥー・センターの将来を保証するもの。具体的には、1977年以来一度も大規模な改修が行われていない当館初の傑作である建物を保存することだ。毎年何百万人もの人が訪れる現代建築の世界的なアイコンであり続けるために、これらの工事は欠かせない。この改修で我々は盛大に50周年を祝えられるとともに、当館の名を21世紀に刻むことができるようになるだろう」。
改修工事は敷地内で行われる予定で、現在の安全基準やエネルギー基準、バリアフリーなどをクリアするとともに、アスベストも完全に除去するという。また館内の図書館は工事中、一時的にパリ市内の別の場所に移転する。
ラヴィーニュは、「閉鎖しているからといって私たちのミッションが止まるわけではない」としており、工事休館中は、ポンピドゥー・センター・メッツをはじめとする海外分館や、保存と創造センター、オフウォール展示やデジタルなどのプロジェクトは継続するという。
同館では21年〜22年、ヒト・シュタイエルやアリス・ニールなどの女性アーティストの個展や、106人の女性アーティストによる500点以上の抽象芸術作品を紹介するグループ展「Elles font l'abstraction(彼女たちは抽象芸術をつくる)」を開催予定。長引く新型コロナの影響で再開時期がまだ決まっていないが、改修工事が始まる前にもう一度現地を訪れたい。