2024年度グッドデザイン大賞が発表。「障害の有無にかかわらず誰もが遊ぶことができる遊具」が選ばれる
11月5日、2024年度グッドデザイン大賞が発表。株式会社ジャクエツによる「障害の有無にかかわらず誰もが遊ぶことができる遊具」を実現したプロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」 が選ばれた。
11月5日、2024年度グッドデザイン大賞が発表。株式会社ジャクエツによる「障害の有無にかかわらず誰もが遊ぶことができる遊具」を実現したプロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」 が選ばれた。
株式会社ジャクエツは1916年創業。保育教材の企画・開発・製造を中心に、幼児教育のノウハウを活かしたまちづくりや、あそびと成長の研究に基づいた課題解決など、あそびを資源とした多角的な価値づくりを創出する老舗企業だ。
同プロジェクトは、医療的ケア児の「遊びたくても遊べない」という課題に注目し、様々な個性を持つ子供たち、医師、ケアスタッフ、遊具デザイナー、地域住民が連携。障害の有無にかかわらず、誰もが遊ぶことのできる3つの遊具を開発した。
「遊び」は人間の根源的な欲望であり、創造力の源となる活動である。そんな遊びから最も遠くに置かれた重度心身障害児や医療的ケア児に向けたアプローチは海外を中心に広まりつつあるが、遊びを引き出すような工夫や事例はまだまだ少ない。このプロジェクトは、さまざまな特性を持つ子どもたちと医療・ケア・地域という分野を超えた協働によって具現化された、貴重な事例であると言える。遊具があるということは、家族が共にいられる居場所があるということでもある。今後も多様な家族がいる風景を日本に広げていくことを期待したい。
(プレスリリースより、デザインの評価ポイント「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」)
株式会社ジャクエツ スペースデザイン開発課 主任の田嶋宏行は、今回の受賞についてリリース内で次のようにコメントしている。
遊びと医療の間にある「遊べない」という状況、問いに対して向き合い、最初はちっちゃく始まったプロジェクトです。
オレンジキッズケアラボの紅谷先生をはじめ、ケアラボの子どもたちやケアスタッフの皆さん、福井県のチームの皆さん、さまざまな方たちに助けていただきました。コロナ禍という難しい時代に始まったプロジェクトでしたが、皆さんが積極的に受け入れてくれて、常に医療的ケア児たちと一緒に遊びながら突き詰めていきました。こんなに大きな賞に選ばれるとは思わず、本当に驚いております。この度は、このような栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。
プレスリリースより、「グッドデザイン⼤賞受賞者のコメント」
株式会社ジャクエツ スペースデザイン開発課 主任
田嶋宏行
2024年度のグッドデザイン賞では、「勇気と有機のあるデザイン」をテーマ審査対象数5773件のなかから1579件が受賞。うち金賞が20件選出され、そこから大賞1件が決定となった。
また、受賞の1579件を一堂に紹介した展覧会「GOOD DESIGN EXHIBITION 2024」(11月1日〜5日)では、来場者による一般投票を経て決定される「みんなの選んだグッドデザイン」も実施。ここでは、「多世代共生の複合型福祉施設 深川えんみち」が選出された。