「帝国ホテル 京都」が26年春に開業へ。国の登録有形文化財「弥栄会館」を活用
2026年春、帝国ホテルが京都市東山区の新たなホテル「帝国ホテル 京都」を開業させる。
![](https://bt.imgix.net/magazine/30182/main/1738140442689_b3606e981d3dd064be95694ddfb6814d.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1472&h=828&fit=clip&rect=0,76,1280,719&v=9)
約90年前の建築を一部保存・活用
2026年春、帝国ホテルが京都市東山区の新たなホテル「帝国ホテル 京都」を開業させる。
帝国ホテル 京都は、1936年に竣工した京都・祇園甲部歌舞練場敷地内の「弥栄会館(やさかかいかん)」の一部を保存・活用するもの。地上7階、地下2階で客室は55室。竣工は25年10月を予定しており、総事業費は約124億円程度(25年1月現在)だという。帝国ホテルブランドのホテルとしては、東京、上高地、大阪に次いで4軒目であり、96年の帝国ホテル大阪のオープン以来、30年ぶりの新規開業となる。
![](https://bt.imgix.net/magazine/30182/content/1738140787620_fd98f698cf0b25653463d0480874d63a.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1920&h=1080&fit=max&v=0)
弥栄会館は「劇場建築の名手」と呼ばれた大林組の木村得三郎が手がけたものであり、2001年に国の登録有形文化財に指定された(2011年に京都市の歴史的風致形成建造物に指定)。しかしながら建物の老朽化や耐震性の問題が指摘され、本来の用途である劇場を含む大部分が使用されなくなっていた経緯がある。今回の帝国ホテル 京都は、地元のランドマークとして親しまれ愛されてきた弥栄会館の記憶を継承しつつ、現代のニーズに合わせたホテルに再生しながら未来へつなぐプロジェクトだ。
建物は劇場建築だったため、そのままではホテルへの転用は難しい。そこで外壁は景観継承の観点から南西面の外壁・躯体を残し、補強をしながらそのほかの部分を解体。設計施工は弥栄会館も手がけた大林組が担い、過去の建築と新たな建築が融合するようなかたちとなる。大林組にとっても文化財相当の建築をコンバージョンするのは今回が初の事例だ。