ブリューゲル一族がやってくる。ほぼすべてが日本初公開の「ブリューゲル展」、国内5会場で開催へ
16世紀のフランドル(現ベルギー)を代表する画家、ピーテル・ブリューゲル1世。日本でも根強い人気を誇るこの画家から150年続く一族の画業を辿る展覧会「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」が、2018年1月から東京都美術館で開催される。
ピーテル・ブリューゲル1世は、幻想的な世界を描いたヒエロニムス・ボスに影響を受けた版画の下絵師としてキャリアをスタートさせ、いまなお幅広い人気を得ている。その作品は、農民の日常に目を向けたこと、また自然そのものを主題として作品に取り入れたことなど、それまでの画家たちとは異なる革新性、観察眼を持っていた。
のちのフランドル絵画に大きな影響を与えたピーテル1世。その人生は40余年で幕を閉じたが、優れた観察眼は息子たちへと引き継がれていった。2018年に東京都美術館を皮切りに、全5美術館を巡回する「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」では、ブリューゲル一族の祖であるピーテル1世から、その二人の息子、ピーテル・ブリューゲル2世とヤン・ブリューゲル1世をはじめとする一族4世代、9人の作品約100点が一堂に会する。
展示構成は「宗教と道徳」「自然へのまなざし」「冬の風景」「旅の風景と物語」「寓意と神話」「静物画の隆盛」「農民たちの踊り」の7章構成。ピーテル1世が下絵を描いた《最後の審判》(1558)をはじめ、ヤン2世の《地上の楽園》(1620-25)やピーテル2世の《野外での婚礼の踊り》(1610頃)など、その出展作品のほとんどは個人蔵で、今回が日本初の公開となる。
西洋絵画全体に影響を与えたブリューゲル一族。その150年にわたる一族の画業を総覧する貴重な機会になりそうだ。