マーティン・パーのファッションフォト、アジア圏で初の展示
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内に今年オープンしたart cruise gallery by Baycrew'sにて現在、マーティン・パーによる個展「FASHION Faux PARR」が開催中だ。会期は6月16日まで。
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© Martin Parr / Magnum Photos
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内に今年オープンした株式会社ベイクルーズが運営するアートギャラリー「art cruise gallery by Baycrew’s」。その第2回展として、マーティン・パーの個展「FASHION Faux PARR(ファッション フォー パー)」が開催されている。
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© Martin Parr / Magnum Photos
1951年にイギリスで生まれたマーティン・パーは、現在活躍しているドキュメンタリー・フォトグラファーにおいてもっとも重要なひとり。1974年から写真集を刊行し続け、2024年現在でその数は120冊以上におよぶ。その作品は、ユーモラスかつシニカ ルな視点で切り取るスナップショットで知られており、作品はニューヨーク近代美術館をはじめ、世界各地の美術館に収蔵されている。
パーは数々のコミッションワークも発表しており、1980年代以来、数々のファッション雑誌やオートクチュール、メゾンからのラブコールを受けてきた。なかでもGUCCIなどの世界的なブランドや各国版『Vogue』のエディトリアルなどは、商業写真の古典的な規範を覆すものとして高い評価を得ている。
本展は、パーのファッション・フォトグラフィーに特化した初の書籍『FASHION Faux PARR』にフォーカスするもの。数多くの写真集のなかでも同書はパーのファッションに対するユニークな視点を紐解こうとする唯一のもので、前述の『Vogue』をはじめとするファッション誌に掲載された作品の一部を収録。またファッションイベントの舞台裏をとらえたものからファッション業界のアイコンたちのポートレイトまで、250点以上のカラー写真が収められている。その多くは未発表だ。
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本展に並ぶのは、写真集より抜粋された16作品。ファッションをモノではなく概念や現象としてとらえるパーの作品を、ベイクルーズというアパレル大手が展示することには大きな意味があるだろう。
なお、『FASHION Faux PARR』の写真展がアジアで開催されるのはこれが初。全作品が購入可能となっている。
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