「分離派建築会」から「生命の庭」展まで、2月のレビューをプレイバック
美術手帖では、批評家や学芸員らによる展覧会レビューを毎月掲載。そのなかから、2月に公開された全7本をお届けする。各レビューの詳細はリンクから全文をチェックしてほしい。
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四方幸子評「村山悟郎 Painting Folding」展(Takuro Someya Contemporary Art)
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織った麻紐にアクリリック、参照画像 200✕160✕30cm
(C) Goro Murayama Photo by Shu Nakagawa Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art
現代の生命科学論的な思索にもとづき、コンピュータ・シミュレーションによって生まれる自己組織的なプロセスやパターンを作品のモチーフとする村山悟郎。本展では代表作の織物絵画を展開させ、たんぱく質のフォールディングにおける、3次元構造が折りたたまれる生成過程を参照した新作を発表した。キュレーターの四方幸子が新たな展開を中心に読み解く。
佐原しおり評 関優花「私をばらばらに説明する」(ナオナカムラ)
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長時間にわたり、ある身体的な行為を繰り返すパフォーマンスを展開してきた関優花。その個展「私をばらばらに説明する」が、約2年ぶりの再始動となるノマドギャラリー「ナオナカムラ」で開催された。展示空間内において、「私」という個人を「女性」「パフォーマー」「アーティスト」といった単純な属性にカテゴライズされず表現することは可能だろうか。本展を埼玉県立近代美術館学芸員の佐原しおりがレビューする。
椹木野衣評「クルト・セリグマンと岡本太郎」展(川崎市岡本太郎美術館)
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岡本太郎と深い親交を結んだスイス生まれの芸術家、クルト・セリグマン。川崎市岡本太郎美術館で開催された「クルト・セリグマンと岡本太郎」は、岡本の「空間」「リボン」シリーズにセリグマンの影響を探り、両者の友情が戦後の日本美術界にもたらした影響や意義を検証する展覧会だ。岡本の作品に登場する「リボン」をきっかけとして、本展を椹木野衣がレビューする。
清水穣評「ロバート・フランク ブック&フィルム 1947–2019」展(ヴィンタートゥーア美術館)
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1958年に写真集『アメリカ人』を出版し、ロードムービーのように当時のアメリカ社会を悲壮感とともに映し出した作品で評価を得たロバート・フランク。スイスのヴィンタートゥーア美術館で開催されたその回顧展を出発点に、戦後日本写真の展覧会の限界と今後を清水穣が論じる。
長谷川祐子評 「生命の庭 8人の現代作家が見つけた小宇宙」(東京都庭園美術館)
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2020年10月から2021年1月にかけて東京都庭園美術館で開催された、青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介が参加した展覧会 「生命の庭 8人の現代作家が見つけた小宇宙」。キュレーターの長谷川祐子が、同展における空間と作品、そして観客との関係性が生み出していたものを論じる。
檜山真有評「分離派建築会100年 建築は芸術か?」(京都国立近代美術館)
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日本最初の建築運動とされる「分離派建築会」を再検証する展覧会「分離派建築会100年 建築は芸術か?」が、京都国立近代美術館で開催されている。なぜいま、分離派に焦点を当てるのか。本展を、キュレーターの檜山真有が論じる。
山本浩貴評「岡本光博展 オキナワ・ステーキ」(eitoeiko)
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東京・神楽坂のeitoeikoにて、ポップ・アイコンをモチーフとした作品や、風刺的な表現で知られる岡本光博が個展を開催。作家自身がかつて滞在していた「沖縄」をタイトルに据え、米軍基地問題などをテーマとした作品が展示された本展を、文化研究者の山本浩貴がレビューする。