EXHIBITIONS

長谷良樹 個展「COLOSSUS」

2023.07.15 - 08.26

長谷良樹 「COLOSSUS」より《巨像のある夏木立の風景》 2021

 KANA KAWANISHI GALLERYで、長谷良樹の個展「COLOSSUS」が開催されている。

 長谷は1999年から2006年までニューヨークを拠点に活動し、現在は東京在住。代表作である「181°」シリーズや、同画廊で初個展となった「DESSIN」で展示した作品のように、自ら制作したオブジェを現実の風景のなかに設置する手法を使い、空間、人間、自然などの関係性を題材に幻視的で絵画的な写真作品を制作している。

 4年振りの新作となる「COLOSSUS」では、水、空、緑など自然の美しさが印象的な風景のなかに、巨大な像の立ち現れる場面を一時的につくりだすことで、違和感と懐かしさが入り混じる作品となっている。人類は太古より身体を模した造形物をつくり続け、今もさまざま古代文明でつくられた彫像が世界中に残されているが、長谷の写真作品は、それらの巨像が時空を超えて自然風景に現れることで、無意識下にある畏敬の念を喚起させる。