EXHIBITIONS
イアン・キア ドローイング展 「相阿弥プロジェクト モノクローム」
Ian Kiaer: Soami project, monochrome
オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで、イギリス人アーティスト、イアン・キアによる個展が開催されている。
「ゼロから何かをつくるという考えはつねに間違っている。つくるということは、物質と対話することであり、誰かがすでに行ったこと(誰かによってつくられたもの)を受け取りそれを発展させることなのです」(イアン・キア、展覧会ウェブサイトより)。
イアン・キアはロンドンを拠点に活動し、2004年テートブリテン美術館で開催された個展では、発砲スチロールの梱包材やお菓子の包み紙など、捨てられた日用品を用いながら、遥か遠く離れた未来の風景を表現し注目を集めた。長野県大町市で開催中の北アルプス国際芸術祭2024でキアが発表した作品は、国宝・仁科神明宮に隣接する森に、16世紀の絵師・相阿弥(そうあみ)の水墨画を参照した巨大な作品を設置するというもの。
今回展示する作品シリーズ「相阿弥プロジェクト」は室町時代の絵師、相阿弥の作品に影響を受けたものだ。墨や淡い色の絵具がしわしわの手漉き紙に染み込み、過去の空間の中に密やかに描かれたポエムのように語りかけてくる。本作は、プロジェクトのための予備的な断片と位置付けられる。しかし、これらの作品は、キアの作品のなかでももっとも繊細で壊れやすく、様々なテクスチャーやダメージの跡が残されている。薄い透明フィルムに影絵のような人物や建築の情景が交錯し、重なりあい、その固有の可能性を再考するよう促してくる。
これらの作品に見られる、動き、もろさ、軽さはキアの作品の基礎的な要素であるだけでなく、その中心的な理論を形成するものとなっている。
「ゼロから何かをつくるという考えはつねに間違っている。つくるということは、物質と対話することであり、誰かがすでに行ったこと(誰かによってつくられたもの)を受け取りそれを発展させることなのです」(イアン・キア、展覧会ウェブサイトより)。
イアン・キアはロンドンを拠点に活動し、2004年テートブリテン美術館で開催された個展では、発砲スチロールの梱包材やお菓子の包み紙など、捨てられた日用品を用いながら、遥か遠く離れた未来の風景を表現し注目を集めた。長野県大町市で開催中の北アルプス国際芸術祭2024でキアが発表した作品は、国宝・仁科神明宮に隣接する森に、16世紀の絵師・相阿弥(そうあみ)の水墨画を参照した巨大な作品を設置するというもの。
今回展示する作品シリーズ「相阿弥プロジェクト」は室町時代の絵師、相阿弥の作品に影響を受けたものだ。墨や淡い色の絵具がしわしわの手漉き紙に染み込み、過去の空間の中に密やかに描かれたポエムのように語りかけてくる。本作は、プロジェクトのための予備的な断片と位置付けられる。しかし、これらの作品は、キアの作品のなかでももっとも繊細で壊れやすく、様々なテクスチャーやダメージの跡が残されている。薄い透明フィルムに影絵のような人物や建築の情景が交錯し、重なりあい、その固有の可能性を再考するよう促してくる。
これらの作品に見られる、動き、もろさ、軽さはキアの作品の基礎的な要素であるだけでなく、その中心的な理論を形成するものとなっている。