ダニエル・ビュレン − 回顧 −《Broken Glass》#43 ＋《Broken Glass》#44（1982年作）

　GALLERY KTO 新宿で「ダニエル・ビュレン − 回顧 −《Broken Glass》#43 ＋《Broken Glass》#44（1982年作）」が開催されている。

　ダニエル・ビュレンは1938年フランス生まれ。パリの国立高等工芸学校を卒業。1960年代に活動を本格化し、65年からは自らが「視覚の道具」と呼ぶ8.7センチメートル幅のストライプを作品に採用。1986年にはベネチア・ビエンナーレでフランス代表として参加し「金獅子賞」を受賞した。

　大谷芳久の協力のもと開催されている本展では、1982年に東京・かんらん舎での日本初個展の際に発表された《Broken Glass ＃43》、《Broken Glass ＃44》の作品が時代を超えて再びインストールされる。本作品は、空間との関係における色と素材を主軸に、ビュランの代表的ともいえるストライプが割れたガラスに描かれ、周囲の空間だけでなく反射した風景や光が作品に取り込まれる。また、完全な中立性を達成しようとした初期の芸術的意図を考えさせる黒のストライプの作品も展示している。