EXHIBITIONS
榎倉康二展
榎倉康二は1942年東京生まれ、68年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻を修了。70年に中原佑介がコミッショナーを務めた「第10回日本国際美術展<人間と物質>」に、弱冠27歳の若さで、リチャード・セラ、クリスト、カール・アンドレ、高松次郎や小清水漸らとともに出品。95年に逝去した後も、東京現代美術館で大規模な回顧展が行われるなど、榎倉が生涯追求した思想とその表現である一連の作品は、現在でも世界的に高い関心を集めている。
物と物との関係や物と身体との関係から生じる物質性に着目した榎倉。壁に廃油を染み込ませる、廃油・アクリル塗料をつけた木材を綿布に押し当てた滲みを利用するといた独特の技法によって、「絵画」の枠組みからの逸脱を試みた。榎倉の代表的なシリーズのひとつ「干渉」では、滲みによって時間の経過を視覚化し、そのいっぽうで、画面に取りつけられた材木が作品から絵画性を奪い、事物性を強く提示している。
本展では、初期の個展に出品された作品を展示するほか、制作の軌跡となるエスキースなどの貴重な資料を展示。とりわけ、廃油を用いた作品は現存するものが少なく、榎倉の制作の原点を振り返る貴重な機会となる。
1978年以来、同ギャラリーで7回開催された過去の個展の出品作を網羅し、熊谷伊佐子(美術評論家)、谷新(美術評論家/水と土の芸術祭2018 総合ディレクター)、佐原しおり(群馬県立館林美術館学芸員)による評論文を掲載したカタログを出版予定。
物と物との関係や物と身体との関係から生じる物質性に着目した榎倉。壁に廃油を染み込ませる、廃油・アクリル塗料をつけた木材を綿布に押し当てた滲みを利用するといた独特の技法によって、「絵画」の枠組みからの逸脱を試みた。榎倉の代表的なシリーズのひとつ「干渉」では、滲みによって時間の経過を視覚化し、そのいっぽうで、画面に取りつけられた材木が作品から絵画性を奪い、事物性を強く提示している。
本展では、初期の個展に出品された作品を展示するほか、制作の軌跡となるエスキースなどの貴重な資料を展示。とりわけ、廃油を用いた作品は現存するものが少なく、榎倉の制作の原点を振り返る貴重な機会となる。
1978年以来、同ギャラリーで7回開催された過去の個展の出品作を網羅し、熊谷伊佐子(美術評論家)、谷新(美術評論家/水と土の芸術祭2018 総合ディレクター)、佐原しおり(群馬県立館林美術館学芸員)による評論文を掲載したカタログを出版予定。