2018.4.29

音楽と造形の対話を目撃する。
作曲家・一柳慧と陶芸作家・近藤高弘の二人展「消滅」が開催

作曲家・一柳慧と陶芸作家・近藤高弘の二人展「消滅」が、東京画廊+BTAPで開催される。会期は2018年5月12日〜6月23日。

Music Score by Toshi Ichiyanagi 2018
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 一柳慧は、1933年兵庫県神戸市出身の作曲家。10代のうちに二度、「毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)」の作曲部門で第1位に輝くと、19歳で渡米し、ニューヨークでジョン・ケージらと実験音楽の活動を展開。以来、偶然性の導入や図形楽譜を用いた作品で、音楽の枠にとらわれない表現方法が評価され、紫綬褒章やフランス文化勲章など数多くの賞を受賞している。

Music score by Toshi Ichiyanagi 2018

 そして今回、一柳とタッグを組む近藤高弘は、1958年京都府出身の陶芸美術作家。京都府立陶工職業訓練校を卒業後、京都市芸術新人賞(1994)を受賞。その後、文化庁派遣芸術家在外研修員としてエジンバラ・カレッジ・オブ・アート(イギリス)を修了し、その後、国内外での展覧会やアートフェアに参加している。

近藤高弘 Leave Ⅰ 2018

 「消滅」展と題された本展は、音楽、造形、パフォーマンスを組み合わせた実験的な試み。「音が沈黙に帰着することを実演するのが音楽だとすれば、造形が例示するのは、つくられた器がかたちを失うことだ」という仮定をベースに、二者の対話が制作を通じて繰り広げられていく。

 本展では、近藤が土を即興的に造形し、同時に、一柳が作曲した音楽を、ヴィオラ奏者の小早川麻美子が演奏した記録映像を上映。音楽、造形、パフォーマンスの交差点のような内容は、「生成消滅を繰り返す宇宙」を想起させ、観る者の意識を拡張するだろう。