世界遺産での展覧会から篠山紀信まで、今週末に見たい3つの展覧会
9月8日までに終了する展覧会と今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。
ジャンルを超えた作品が清水寺に集結。「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」(清水寺の成就院、経堂、西門、馬駐)
世界遺産・清水寺を舞台に、西洋近代絵画から現代美術、文学、マンガまで古今東西の作品が並ぶ8日間の展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ 日本と世界のアート展」が、9月8日に閉幕する。
本展はICOM(国際博物館会議)京都大会を記念して行われるもので、アート小説を発表してきた原田マハが総合ディレクターを務める。今回多くの作品が展示されているのは、「月の庭」と呼ばれる名庭を有する成就院。通常非公開のここではジャコメッティ、ヨーゼフ・ボイス、三嶋りつ惠、荒木悠らによる多種多様な作品を見ることができる。
なかでも注目したいのは、ゲルハルト・リヒターの作品だけで構成された経堂だ。ここではガラスを使った立体作品のほか、日本初公開の映像作品を展示。変化し続ける「動く絵」と、その場で演奏される音楽を体験できる貴重な機会となっている。そのほかにも、西門で来場者を出迎える加藤泉によるテキスタイル作品など、名刹とアートの融合を堪能できる本展をお見逃しなく。
会期:2019年9月1日〜8日
会場:清水寺の成就院、経堂、西門、馬駐
住所:京都市東山区清水1-294
時間:7:00〜18:00(入場は17:00まで)
休場日:会期中無休
料金:大人 1800円 / 子供(小学生以下)無料
モーニングチケット(7:00〜9:00入場):大人 1600円 / 子供(小学生以下)無料
二条城でアートと出会う。「artKYOTO 2019」(元離宮⼆条城)
同じく京都の世界遺産・二条城では、新たなアートフェア「artKYOTO 2019」が9月7日~9日に開催。日本最大のアートフェア「アートフェア東京」を手がける一般社団法人アート東京主催のもと、古美術から現代美術までをカバーする国内外の31ギャラリーが集う。
現代美術からは、imura art gallery(京都)やタカ・イシイギャラリー(東京)、ミヅマアートギャラリー(東京/シンガポール/ニューヨーク)、シュウゴアーツ(東京)などが参加。主催者側は今後も継続する意向を示し、アーティスト・椿昇がディレクターを務める「ARTISTS' FAIR KYOTO」と並ぶ京都のアートフェアとしての成長も期待される。二条城という特別な場所で、作品とじっくり向き合う経験をしてみてはいかがだろうか。
会期:2019年9月7日〜9日
会場:元離宮⼆条城 ⼆の丸御殿台所・御清所・東南隅櫓
住所:京都府京都市中京区⼆条通堀川⻄⼊⼆条城町541
開館時間:11:00〜20:00(最終⽇〜16:00)
料金:⼀般 3000円 / 学⽣ 2000円 ※別途⼆条城への⼊城料が必要。学⽣チケットは⽉曜⽇限定
大巡回展の最終地。「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show」(Gallery AaMo(ギャラリー アーモ))
2012年の熊本市現代美術館を皮切りに、全国32会場を巡回してきた篠山紀信の大回顧展。7年間で約99万人を動員した同展の最終回となる「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show」が、東京・水道橋のGallery AaMo(ギャラリー アーモ)で開幕した。会期は10月27日まで。
本展は、すでに亡くなった歌手や俳優の在りし日の姿を収めた「GOD」や、誰もが知る有名人のスターとしての輝きを収めた「STAR」などのセクションから構成。篠山の代名詞である「シノラマ」による迫力あふれる歌舞伎役者や力士の写真は圧巻だ。また「ACCIDENTS」の部屋では、時代と並走してきた篠山が、東日本大震災の被災地のありのままをとらえた作品群を展示する。
半世紀以上のキャリアを持ちながら、いまなお意欲的に撮影を続ける篠山。その活動を時のスターたちのまばゆい姿とともに振り返る回顧展の最終回を、逃さずチェックしてほしい。
会期:2019年9月5日~10月27日
会場:Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)
住所:東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームシティ クリスタルアベニュー沿い
電話番号:03-5800-9999(東京ドームシティ わくわくダイヤル)
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 900円 / 小中学生 400円 / 未就学児無料(単独入館不可)