2019.11.16

ダムタイプからバスキアまで、今週末に見たい3つの展覧会

11月17日までに終了する展覧会と今週スタートした展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップして紹介する。この機会をお見逃しなく。

「ダムタイプ―アクション+リフレクション」の会場風景より、《MEMORANDUM OR VOYAGE》(2014)
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日本を代表するメディア・アーティストグループ。「ダムタイプ―アクション+リフレクション」(東京都現代美術館

会場風景より、《pH》(2018)と《LOVE/SEX/DEATH/MONEY/LIFE》(2018) Photo by Nobutada Omote

 1984年、故・古橋悌二をはじめとする京都市立芸術大学の学生を中心に結成され、様々な表現の形態を横断するメディア・アーティストグループとして活動してきたダムタイプ。その大規模個展「ダムタイプ―アクション+リフレクション」が11月16日、清澄白河の東京都現代美術館で開幕した。

 本展の見どころは、同名パフォーマンス初演時の舞台装置を再現した《pH》や、3つのパフォーマンスを映像で再構成した《MEMORANDUM OR VOYAGE》、そして古橋の遺作となった《LOVERS》など、新作を含む6点の大型インスタレーション。また、パフォーマンスの記録映像や様々な資料によって、ダムタイプとは何なのかを俯瞰的に見ることのできる内容となっている。

 なお同館では、ファッションブランド「ミナ ペルホネン」のものづくりと思考に迫る「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」、THE COPY TRAVELERS、PUGMENT、三宅砂織、吉増剛造プロジェクト|KOMAKUS+鈴木余位、鈴木ヒラクが参加する年次展覧会「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」が開催中。いずれも見応えのある3展を、あわせてチェックしてほしい。

会期:2019年11月16日〜2020年2月16日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5245-4111
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし2020年1月13日は開館)、12月28日〜2020年1月1日、1月14日
料金:一般 1400円 / 大学・専門学校生・65歳以上 1000円 / 中学・高校生 500円 / 小学生以下無料
 

女性写真家の草分け。「山沢栄子 私の現代」(東京都写真美術館) 

会場風景

 日本における女性写真家の草分け、山沢栄子(1889~2015)。その生誕120年を記念し、山沢の仕事を展観する約25年ぶりの大規模個展「山沢栄子 私の現代」が恵比寿の東京都写真美術館で11月12日、スタートした。

 注目したいのは、山沢の仕事の集大成と言える「What I Am Doing」。写真による造形の実験を重ねて「抽象(アブストラクト)写真」に行き着いた山沢は同シリーズで、自身の過去作品や写真機材など、身近な素材をモチーフに構築的な画面をつくり出した。本展ではこの「What I Am Doing」を起点として、時を遡るように山沢の作品を展観する。

 そのほかにも、1962年に出版された貴重な写真集『遠近』全ページのほか、山沢が商業写真家からアーティストへと方向性を変えるきっかけとなった55年のニューヨーク滞在時に撮影された写真も展示。「まだわからない部分がたくさんある」というパイオニアとしての山沢の仕事に光を当てる本展に、足を運んでみてはいかがだろうか。

会期:2019年11月12日〜2020年1月26日
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00〜18:00(木金〜20:00、ただし1月2日・3日は〜18:00)
休館日:月(ただし1月13日は開館)、1月14日、年末年始(12月29日〜1月1日)
料金:一般 700円 / 学生 600円 / 中学・高校生・65歳以上 500円
 

日本初の大規模展覧会。「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」(森アーツセンターギャラリー

ジャン=ミシェル・バスキア 無題 1982 Yusaku Maezawa Collection, Chiba Artwork © Estate of Jean-Michel Basquiat.Licensed by Artestar, New York

 わずか10年の活動期間のなかで、2000点を超えるドローイングと1000点以上の絵画作品を残したジャン=ミシェル・バスキア。その日本初となる大規模展「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで11月17日に閉幕する。

 世界中でバスキアの展覧会を企画してきたディーター・ブッフハートがキュレーションを担当する本展には、前澤友作が約123億円という高額で落札した《Untitled》(1982)をはじめ、各地のプライベート・コレクションから集めた絵画やオブジェ、素描など約130点が集結。出展作には「MADE IN JAPAN」の文字や「¥(円マーク)」「YEN」という単語が描かれたものも多く、バスキアと日本の関係性を垣間見ることができる。

 そのほかにも「自画像」「文字」「カートゥーン」「ドローイング」など、様々な角度からバスキアの姿を紹介する本展。その作品をまとまったかたちで鑑賞できるこの機会をお見逃しなく。

会期:2019年9月21日〜11月17日
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
住所:東京都港区六本木6-10-1
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00~20:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 2100円 / 大学・高校生 1600円 / 中・小学生 1100円