ニューヨークのメトロポリタン美術館が2017年に開催したファッションデザイナー・川久保玲と「Comme des Garçons」(コム デ ギャルソン)に焦点を当てた展覧会「Rei Kawakubo/Comme des Garçons:Art of the In-Between」。その様子を振り返る。
メトロポリタン美術館において存命のファッションデザイナー個人に焦点を当てたものとしては、1983年のイヴ・サン=ローラン以来、じつに34年ぶりの展覧会となる「Rei Kawakubo/Comme des Garçons:Art of the In-Between」。81年に初めてパリ・コレクションで行われた「コム デ ギャルソン」のショーから現在まで、約120着におよぶ同ブランドのウィメンズウェアを紹介する。
69年に「Comme des Garçons」を立ち上げ、82年のパリ・コレクションで「黒の衝撃」と呼ばれる黒服を発表。その後、他に類を見ないスタイルを数多く打ち出し、世界のファッションシーンに大きな影響を与えてきた川久保。「私はすでに確立した価値や習慣、模範だと思われていることを否定することで、新しいデザインを追求してきました。そして私にとってもっとも重要な表現方法は、『融合』『アンバランス』『未完』『脱離』、そして『意図の欠如』なのです」と、本展開催にあわせてコメントを寄せている。