40万点の作品画像を無料開放。メトロポリタン美術館がAPIを公開
2017年2月、所蔵する37万5000点以上の作品画像を無料で一般利用可能にすると発表し、大きな話題をさらったアメリカ・メトロポリタン美術館が、この流れをさらに加速させる施策を発表した。
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1860年に開館したアメリカを代表する美術館、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)は、先駆的な美術館として世界をリードする存在でもある。
2017年2月、同館は新たなオープンアクセスポリシーとして、パブリック・ドメインとなっている作品画像を無料で利用可能にした。ユーザーは著作権による利益を放棄する「CC0(クリエイティブ・コモンズ・ゼロ)」表記がされているものを自由にダウンロードでき、クレジット表記なども不要となった。この時点で対象となっていた作品数は37万5000点だったが、その数は現在約40万6000点に増加している。
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そして今回、同館はこれら「CC0」作品へのアクセスをさらに高めるため、「The Met Collection API」と呼ばれるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース、ソフトウェアを一部公開して第三者のソフトウェアと機能を共有できるようにしたもの)を公開した。
この第一歩として、同館はアートのプラットフォームである「Google Arts & Culture」と連携。現在、同サイトおよびアプリでは、メトロポリタン美術館コレクションのうち、CC0のものを一部自由にダウンロードできるようになっている。
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メトロポリタン美術館は、今後もCC0の作品を続々とデジタル化することを明らかにしており、それらは同館サイトを訪れなくともAPIを通じて自動的に追加されるという。
先日、シカゴ美術館が4万点以上の作品を開放するなど、コレクションのデジタル化と無料開放の機運は着実に高まっている。美術館にとっては、自館のコレクションへのアクセスを増大させるとともに、美術館に実際に足を運んでもらうきっかけづくりともなるこれらの施策。この流れはますます加速していくだろう。