2022.4.15

篠田桃紅の大回顧展からミロ展まで。今週末に見たい展覧会ベスト4

今週開幕/閉幕する全国の展覧会のなかから、とくに注目したい4つをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

篠田桃紅展より
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首都圏では初の回顧展。「篠田桃紅展」(東京オペラシティ アートギャラリー)

篠田桃紅展より

 70年を超える活動を通して、前衛書から墨による独自の抽象表現の領域を拓いた美術家・篠田桃紅(1913〜2021)。首都圏で初となる回顧展「篠田桃紅展」が4月16日に東京オペラシティ アートギャラリーで開幕する。

 篠田は戦後まもなく、40歳を越えて単身渡米。ニューヨークから帰国後は、書と絵画、文字と形象という二分法にとらわれない、墨による独自の抽象表現、空間表現を確立した。惜しくも107歳で逝去した作家の没後1年を経て開催される本展は、篠田の長きにわたる活動の全貌を約130点の作品・資料により紹介。丹下健三らとコラボレーションを交えつつ、篠田の広い射程と現代性を今日的な視座から検証するものとなる。

会期:2022年4月16日~6月22日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
料金:一般 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学生以下無料

未公開品を含む作品を展示。名和晃平「Fountain」(銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM)

名和晃平 Fountain 2022 Photo by Sandwich Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE

 彫刻家・名和晃平の個展「Fountain」が銀座 蔦屋書店のイベントスペースGINZA ATRIUMで4月16日より開催される。本展は、名和と世界的に活躍する振付家/ダンサーのダミアン・ジャレによるパフォーマンス作品《VESSEL》《Mist》《Planet[wanderer]》の書籍『ダミアン・ジャレ|名和晃平 VESSEL / Mist / Planet[wanderer]』の刊行を記念したもの。

 会場では、ジャレの作品をモチーフとした平面作品のほか、名和のアーティスト活動の最初期からのドローイングをシルクスクリーンによる版画にした《Esquisse》、彫刻《Fountain》など、未公開品を含む多数の作品を展示。名和の現在に至る思考の広がりと、平面、彫刻、パフォーマンスへと領域を横断する作品同士のつながりが感じられる構成となる。

会期:2022年4月16日~4月30日
会場:銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
電話番号:03-3575-7755
開館時間:銀座蔦屋書店のウェブサイトにて案内
料金:無料

絵を見る喜び。牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児(東京ステーションギャラリー)

アンドレ・ボーシャン 川辺の花瓶の花 1946 個人蔵(ギャルリーためなが協力)

 異なる場所・時代に生き、ともに牧歌的で楽園のような風景を描いた2人の画家、アンドレ・ボーシャン(1873〜1958)と藤田龍児(1928〜2002)を紹介する展覧会「牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児」展が4月16日に東京ステーションギャラリーでスタートする。

 アンリ・ルソー以来のもっとも優れた素朴派の画家ともいわれているボーシャンと、病によっていちどは画家の道を断念するもリハビリで再起し、亡くなるまで精力的に作品を制作し続けた藤田。それぞれが過酷な状況にありながら、心を癒してくれるような牧歌的な作品群を生み出した。本展で紹介される115点によって、絵を見ることの喜びを噛み締めたい。

会期:2022年4月16日~7月10日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1300円 / 大学・高校生 1100円 / 中学生以下無料

20年ぶりの大規模回顧展。「ミロ展―日本を夢みて」(Bunkamura ザ・ミュージアム)

第3章「描くことと書くこと」の展示風景より、左からジョアン・ミロ《ゴシック聖堂でオルガン演奏を聞いている踊り子》(1945)、《絵画(カタツムリ、女、花、星)》(1934)

 ジュアン・ミロ(1893〜1983)の国内では20年ぶりとなる大規模回顧展「ミロ展―日本を夢みて」が4月17日で閉幕する。

 ピカソと並ぶ現代スペインの巨匠として日本でも広くその名は知られているミロ。しかし創作活動の裏側には日本文化への深い造詣があったことは意外と知られていない。ミロと日本のつながりに着目する世界初の大規模展覧会ともなる本展では、若き日の日本への憧れを象徴する初期作品から代表作、そして日本で初めて展示されたミロ作品を通し、画家と日本の深い関わりをひも解くものとなっている。56年ぶりに来日するマドリードの傑作《絵画(カタツムリ、女、花、星)》や、ミロが愛蔵した日本の民芸品など里帰りする品々も見どころだ。

会期:2022年2月11日~4月17日
会場:Bunkarmura ザ・ミュージアム
住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(金〜21:00) ※入館は閉館の30分前まで。会期中すべての土日祝、4月11日~4月17日は入場チケットとは別に「オンラインによる入場日時予約」が必要。予約受付など詳細は展覧会サイトを要確認
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1000円 / 小・中学生 700円