2025.2.7

今週末に見たい展覧会ベスト9。モネ、毛利悠子から横浜美術館まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

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もうすぐ閉幕

「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子―ピュシスについて」(アーティゾン美術館

 東京・京橋のアーティゾン美術館で開催中の「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子―ピュシスについて」が2月9日で終了する。レポート記事はこちら

 本展は、石橋財団コレクションとアーティストとの共演をコンセプトに開催されている展覧会「ジャム・セッション」の第5回目を飾るもの。今回は第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表作家・毛利悠子の過去作を含む7つのプロジェクトが一堂に展示されており、毛利にとって国内最大規模の展覧会となっている。

会期:2024年11月2日~2025年2月9日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1200円(ウェブ予約)1500円(窓口販売)/ 大学生、専門学校生、高校生 無料(要ウェブ予約)/ 中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名 無料(予約不要)

絵画のゆくえ(SOMPO美術館


FACE2024 グランプリ 津村光璃 溶けて 2023 可溶性建染染色、蝋染め、綿布、パネル 160 × 200 cm

 SOMPO美術館の「絵画のゆくえ 2025」は2月11日までの開催。

 2013年に創設された公募コンクール「FACE」は、年齢・所属を問わない新進作家の登竜門として、毎回多くの応募者を迎えている。本展では、FACE2022からFACE2024までの3年間に「グランプリ」「優秀賞」を受賞した作家たち12名の近作・新作およそ80点を展示し、受賞作家たちの受賞後の展開を紹介。また、同館所蔵品となった3年間の「グランプリ」受賞作品もあわせて見ることができる。

会期:2025年1月18日~2月11日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館)
料金:一般 800円 / 高校生以下無料

「モネ 睡蓮のとき」(国立西洋美術館

展示風景より

 上野の国立西洋美術館で開催中の「モネ 睡蓮のとき」は2月11日までとなる。レポート記事はこちら。オリジナルグッズ記事はこちら

 本展は、第一回印象派展の開催から150年を記念し、モネの晩年の活動にフォーカスするもの。世界最大級のモネ・コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含む厳選された約50点が来日している。

 会場ではモネにとって重要なテーマであった「睡蓮」20点以上が展示。モネが構想した大装飾画に関連して横3メートルにおよぶ《藤》や《アガパンサス》の装飾画のための習作といった印象派を超えた試みが紹介されるほか、水面に柳がS字形に反映された《睡蓮、柳の反映》、日本の浮世絵からインスピレーションを受けた《日本の橋》などの小型連作までも見ることができる。

会期:2024年10月5日~2025年2月11日
会場:国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:09:30~17:30(金土~21:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし2月10日、2月11日は開館)
料金:一般 2300円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円 / 中学生以下 無料

「豊原国周展 明治のダイナミズム」(川崎浮世絵ギャラリー

豊原国周 大磯祷龍館之図 川崎・砂子の里資料館所蔵

 川崎浮世絵ギャラリーの「豊原国周展 明治のダイナミズム」が2月9日に閉幕する。

 豊原国周(1835〜1900)は明治を代表する浮世絵師で、とくに歌舞伎役者の似顔絵で知られている。役者の半身像を画面いっぱいに描いた大首絵や、三枚続の大画面を活かしたダイナミックな構図で人気を博した。本展では、国周の初期作品、東海道に見立てた役者絵シリーズ、美人画など、国周の多彩な画業を紹介。また国周の弟子・楊洲周延(1838〜1912)の作品も並ぶ。

 なお国周の作品は「豊原国周生誕190年 歌舞伎を描くー秘蔵の浮世絵初公開!」(静嘉堂文庫美術館、1月25日~3月23日)、「ネオ江戸:豊原国周」(青山目黒、1月25日~2月24日)「生誕190年記念 豊原国周」(太田記念美術館、2月1日~3月26日)でも見ることができる。

会期:2025年1月5日~2月9日
会場:川崎浮世絵ギャラリー
住所:神奈川県川崎市川崎区駅前本町12-1 川崎駅前タワー・リバーク3階
電話番号:044-280-9511
開館時間11:00~18:30 ※入館は閉館の15分前まで
休館日:1月13日、1月14日
料金:一般 500円 / 高校生以下無料

「原田裕規:ホーム・ポート」(広島市現代美術館

展示風景より

 広島市現代美術館の「原田裕規:ホーム・ポート」が2月9日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は、地元・広島出身であり、2012年に「ラッセン展」や「心霊写真展」の企画で鮮烈なデビューを飾り、いまも精力的な活動を見せる原田裕規の美術館における初めての大規模個展。展示は「プロローグ/エピローグ 影を追いかける」で始まり(終わり)、「見ることの力」「何かを待つような感覚」「夢のような光景(ドリームスケープ)」の3章で構成されており、これまでの原田の多様な作品に加え、建築と呼応する新作も見ることができる。なお、本展にあわせて、天王洲のANOMALYでは原田の個展「夢と影」が3月1日まで開催中。

会期:2024年11月30日〜2025年2月9日
会場:広島市現代美術館
住所:広島県広島市南区比治山公園1-1
電話番号:082-264-1121
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1100円 / 大学生 800円 / 高校生・65歳以上 550円 / 中学生以下無料

今週開幕

「おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館

奈良美智 春少女 2012 横浜美術館蔵 ©YoshitomoNara

 横浜美術館で2月8日からリニューアルオープン記念展「おかえり、ヨコハマ」が開催される。

 本展では、横浜美術館コレクションの名作の数々を新たな視点で紹介。加えて、横浜市歴史博物館、横浜開港資料館、横浜都市発展記念館、横浜市民ギャラリーなど、おもに市内の施設が所蔵する作品や資料も展示。また、本展のためにアーティストに委嘱した新作をグランドギャラリーなどで披露する。

 作品を読み解くための鍵は「横浜」、そしてリニューアル後の同館の活動理念の柱である「多様性」だ。今回は「多様性」という観点のもと、横浜にまつわる作品のなかで、開港以前の横浜に暮らした人びと、女性、子ども、様々なルーツを持つ人びとなど、これまであまり注目されることのなかった存在に改めて光をあてる。

会期:2025年2月8日~6月2日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:045-221-0300
開館時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで
休館日:木、3月21日(ただし3月20日は開館)
料金:一般 1800円 / 大学生 1500円 / 高校・中学生 900円 / 小学生以下 無料

「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」(DIC川村記念美術館)

DIC川村記念美術館外観
撮影=高橋マナミ

 東京へのリロケーションとダウンサイジングの最終方針が決定した千葉・佐倉のDIC川村記念美術館。同館で、現在の場所では最後となるコレクション展「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」が2月8日より開催される。

 本展では、全展示室を使用し、美術館の基礎であるコレクションを網羅的に紹介。101室の「印象派からエコール・ド・パリへ」から203室のネオダダからミニマリズム、日本の現代へ」に至るまで、約180点のコレクション作品が展示される。

会期:2025年2月8日〜3月31日
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月(3月31日は開館。月曜が祝日の場合は開館し、翌平日)
料金:一般 1800円 / 学生・65歳以上 1600円 / 高校生以下無料

嶌村吉祥丸「what is good ? 」(BOOK AND SONS)

 目黒の AND SONSで、嶌村吉祥丸による初の写真集「what is good ?」の発売を記念して展覧会が始まった。

 嶌村は、アーティスト、写真家としての領域に留まることなく分野を越境し、様々な表現者と協働することで写真を通じて人やもの、世界と対話するように活動を続けている。本展では、過去10年間のキャリアのなかで、東京、パリ、ベルリン、モスクワ、ラオス、ニューヨーク、ポートランドなど世界各地を巡るなか「"good"とはなにか」という問いへ向き合うことから選ばれた写真が並ぶ。

会期:2025年2月6日~2月25日
会場:BOOK AND SONS
住所:東京都目黒区鷹番2-13-3 キャトル鷹番 BOOK AND SONS
開館時間:12:00~19:00
休館日:水
料金:無料

ウェイド・ガイトン「Drawings for Tokyo」(思文閣銀座)

ウェイド・ガイトン Untitled 2024

 思文閣銀座でウェイド・ガイトンの個展「Drawings for Tokyo」が始まった。

 本展は、外部キュレーターを招く「Ginza Curator’s Room」の11回目を飾るもの。ガイトンは2000年代初頭より、デジタル画像制作の状態と影響について一貫して探求を続けており、エスパス ルイ・ヴィトン東京でも大規模な個展が開催中だ。

 キュレーターにパリを拠点に国際的に活躍するニコラス・トレンブリーを招く本展は、トレンブリーとガイトンの長年にわたる密接な交流によって実現。ふたりで神保町を巡った際に出会った北大路魯山人のカタログを素材としたガイトンの新作のドローイングとペインティングを初公開する。

会期:2025年2月7日~2月28日
会場:思文閣銀座
住所:東京都中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング
電話番号:03-3289-0001
開館時間:10:00~18:00
休館日:日祝
料金:無料