2025.2.12

企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」が文化庁国立近現代建築資料館で開催。日本における5つの万博を振り返る

企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」が、東京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館で開催される。会期は第1部が3月8日~5月25日、第2部が6月14日~8月31日。

メインビジュアル
前へ
次へ

 企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」が、東京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館で開催される。会期は第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」が3月8日~5月25日、第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」が6月14日~8月31日。

 万国博覧会(国際博覧会、エクスポ)は、19世紀に各国の優れた物品を集めて展示する展覧会として始まり、現在では、国際博覧会条約(BIE条約、1928年成立)にもとづいて行われる、複数の国が参加する博覧会を指す。その内容も、展示に限らず、イベント、アミューズメント含めて多様化してきた。

大髙正人 大阪万博 メインゲート 平面図 1970

 また、万国博覧会の建築も近代建築の発展に大きな貢献をもたらした。世界初の万国博覧会は、1851年にロンドン万博の展示館「クリスタル・パレス(水晶宮)」は、鉄骨造の外壁全体をガラスで覆ったデザインで、鉄とガラスの時代の到来を告げた。また、1889年パリ万国博覧会に際して建設されたエッフェル塔は、当時最先端の鉄骨造建築であり、今日でもパリのランドマークとして機能している。

 日本国内では、これまで日本万国博覧会(大阪万博、EXPO'70、1970)、沖縄国際海洋博覧会(1975)、つくば国際科学技術博覧会(1985)、国際花と緑の博覧会(1990)、日本国際博覧会 愛・地球博(2005)の5回の万国博覧会が開催されている。今春からの大阪・関西万博(4月13日〜10月13日)がそれに続き6回目ということになる。

 本展は、同館所蔵の図面や企画段階の資料を中心に展示することで、これまでの5回の万国博覧会の会場計画と施設デザインに関する理解を、開催期間を分けた2部構成で深めようとするもの。

大髙正人 つくば科学万博 Fブロック全体アクソノメトリック図 1985

 第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」(3月8日~5月25日)では、5回の万国博覧会の概要を紹介しつつ、特に日本万国博覧会(大阪万博)について代表的な施設の図面等を通して、技術・デザイン・芸術の融合に向けた試みがいかなるものだったのかを展示。

 第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」(6月14日~8月31日)では、日本万国博覧会(大阪万博)の一部展示替えを行い、ほかの4つの博覧会に関する収蔵図面と資料を展示。人間の居住、海や山などの自然、さらに地球の環境への配慮へと万博の総合テーマが変化し、それに伴い会場計画の手法や建築デザインも変化を遂げる様子を展示する。

 日本の万国博覧会の変遷と、博覧会建築ならではの建築デザイン上の創意工夫を知ることができる展覧会となりそうだ。