新紙幣に登場した北斎の名作も。浮世絵の名品がヘリテージ・オークションズ東京オフィスに集結
米国の著名なコレクター、ルース・シルヴィア・ネルキンの浮世絵コレクションがヘリテージ・オークションズ東京オフィスで展示。葛飾北斎や歌川広重の作品を含め、市場に出回ることの少なかった名品に触れる貴重なチャンスを提供する。
米国・テキサス州に本社を置くヘリテージ・オークションズが、9月下旬に予定されている日本の木版画コレクションのオークションに先駆け、東京オフィスにて下見会を9月4日〜6日、および9日〜11日の日程で開催する。会場では、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や歌川広重、山村耕花らの作品を無料で鑑賞し、その状態などを確認することができる。
同社は、1976年に米国で設立され、世界最大の収集品オークションハウスのひとつとして知られている。ニューヨーク、ダラス、ロンドン、パリ、香港などにオフィスを構えており、2024年には東京オフィスが開設され、日本語でのサポートを提供し、オークション参加や出品、査定、輸送手配などを行っている。
下見会で展示される作品は、9月25日にテキサス州・ダラスで開催される「日本の木版画 ネルキン・コレクション パート II シグネチャー・オークション」、および2025年3月に予定される「パート III」で競売にかけられるもの。日本の代表的な版画をはじめ、アンティーク・ジュエリー、ファベルジェとロシアの美術品、フランスのアートガラス、アメリカの風景画など、多岐にわたる作品を収集し、数年前に亡くなった米国のコレクター、ルース・シルヴィア・ネルキンのコレクションから出品される。
ネルキンのコレクションは市場に出回ることが少なく、今回のオークションでは30年以上市場に出ていない貴重な作品が含まれている。出品作品は、日本美術の専門家であり、30年以上のキャリアを持つ独立コンサルタントの堀佐知子と協力して選ばれた。オークションの売却益はすべて、米国赤十字社やグリーンピースなど、ネルキン一家が支援してきた慈善団体に寄付される予定だという。
今回の下見会では、今年7月に発行された新紙幣の裏面にも採用された北斎の代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をはじめ、歌川広重の「雪の隅田川」(三枚)、魚屋北渓の「柳湯」、窪俊満の「茶碗と梅の枝」摺物など、多彩な作品を見ることができる。貴重な機会を逃さず、ぜひ予約の上、下見会に足を運んでいただきたい。