2025.1.24

「Ginza Sony Park」がグランドオープン。「Sony Park展 2025」(Part1)にVaundy、YOASOBI、羊文学ら

2018年より進められてきた東京・銀座のソニービル建て替えプロジェクト、通称「Ginza Sony Park Project」。そのプロジェクトの最終形態として、「Ginza Sony Park」がグランドオープンした。また、プログラム第一弾として「Sony Park展 2025」も開催されている。

文=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部) 画像提供=Ginza Sony Park

Ginza Sony Park 外観
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 2018年より進められてきた東京・銀座のソニービル建て替えプロジェクト、通称「Ginza Sony Park Project」。そのプロジェクトの最終形態として、「Ginza Sony Park」がグランドオープンした。

Ginza Sony Park 外観。隣接の銀座メゾンエルメス フォーラムがGinza Sony Parkのグランドオープンを歓迎するメッセージを掲出している点にも注目だ

 「Ginza Sony Park」は、生活における余白と変化し続けるアクティビティによって、街や人に新たなリズムを生み出す「都会のなかの公園」をコンセプトにリニューアルが進められてきた。銀座の標準的な建物の半分ほどの高さにあえて低く構えることで、集積率の高い都会のなかに余白と新しい景観を生み出すことを目的としている。また、ソニービルが大切にしてきた「街に開かれた施設」という設計思想と、「ジャンクション建築」「縦のプロムナード」といったユニークな建築的な要素も継承されることとなった。

 同プロジェクト主宰の永野大輔(ソニー企業株式会社 代表取締役社長・チーフブランディングオフィサー)は、このグランドオープンを目の前に次のように語っている。「伝えたいメッセージは、“銀座の庭、Ginza Sony Park”。ソニーが銀座に生み出した公園であり、訪れた人々にとってプライベートのような空間であってほしいという思いが込められている」。

 また、Ginza Sony Parkは、余白とアクティビティのバランスを大切に、ソニーらしいユニークなアプローチで新たな感動と文化を生むプラットフォームとなることを目指しているという。グランドオープンに際しては、ソニーグループの6つの事業をテーマとした体験型プログラム「Sony Park展 2025」が開催されるほか、Ginza Sony Parkが提案する「食のアクティビティ」としてカジュアルダイニングもオープン予定だ。これらはすべてソニーグループが手がけるものであり、テナントは一切入らないというのだから驚きだ。

Ginza Sony Parkが提案するカジュアルダイニング「Nibun no Ichi」

 オープンと同時に開幕した「Sony Park展 2025」は、ソニーグループの6事業「音楽」「半導体」「金融(ファイナンス)」「ゲーム」「エンタテインメントテクノロジー」「映画」をテーマに、ソニーミュージックグループを中心とした6組のアーティストとともにつくりあげられたクリエイティブな体験プログラムだ。前後期のうち、1月26日〜3月30日のPart1ではVaundy、YOASOBI、羊文学が、Part2ではBABYMONSTER、Creepy Nuts、牛尾憲輔が参加し、それぞれの楽曲をモチーフとしたオリジナルコンテンツを体験することができるものとなっている。

 Part1では、Vaundy、YOASOBI、羊文学らがそれぞれ「音楽は、旅だ。」「半導体は、SFだ。」「ファイナンスは、詩だ。」をテーマにプログラムを展開している。

 地下2階には、「音楽は、旅だ。」をテーマにVaundyとともに設計した音楽の地層空間が登場。Vaundyが影響を受けた楽曲が約200曲ほど選定されており、来場者は貸出のヘッドフォンを持ち歩き、ヘッドフォンジャックを空間に差し込むことでその楽曲を発掘するように聞くことができる。

 3階では、「ファイナンスは、詩だ。」をテーマにYOASOBIの楽曲『HEART BEAT』の世界に没入するような空間が創出されている。楽曲のコンセプトでもある心音をモチーフに来場者の心拍をセンシングし、一人ひとりの「心音オブジェクト」を制作。楽曲と心音オブジェクト、鼓動のような振動がコラボレーションする新たな音楽体験を楽しめるものとなっている。

 羊文学は「ファイナンスは、詩だ。」をテーマに、羊文学の楽曲の歌詞に注目したインスタレーションを展示。ギターボーカルの塩原モエカによるナレーションとともに展開される音と言葉、水と光が織りなすその空間は、思わず心に染み入るほどだ。こちらは4階で展示されている。

 また、展示空間から言葉があふれ出すかのように、Ginza Sony Park内の各所には羊文学の歌詞が散らばっているため、ぜひ会場内を歩きながら見つけてみてほしい。

 なお、Sony Park展 2025の入場に関しては事前予約制となっているため、足を運ぶ際には公式ウェブサイトからの申し込みをお忘れなく。