「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s‒1970s」(国立新美術館)レポート。ミース幻の建築が実寸大で登場
快適性や機能性、芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した「戸建ての住宅」を紹介する企画展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s‒1970s」が、東京・六本木の国立新美術館で始まった。

快適性や機能性、芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した「戸建ての住宅」。これにフォーカスした企画展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s‒1970s」が、東京・六本木の国立新美術館で始まった。
本展は同館の自主企画展。担当キュレーターは長屋光枝(国立新美術館学芸課長)、監修は岸和郎(建築家、K.ASSOCIATES / Architects主宰)、ゲスト・キュレーターはケン・タダシ・オオシマ(ワシントン大学建築学部教授)、アソシエイト・キュレーターは佐々木啓(東京工業大学建築学系助教、2019-24)。会場構成は長田直之(建築家)が、アート・ディレクションは「Nerhol」の活動でも知られる田中義久が担当した。

1920年代以降、ル・コルビュジエ(1887〜1965)やミース・ファン・デル・ローエ(1886〜1969)といった多くの建築家が、時代とともに普及した新たな技術を用いて、機能的で快適な住まいを探求した。その実験的なヴィジョンと革新的なアイデアは、やがて日常へと波及し、人々の暮らしを大きく変えていくこととなる。本展は、そんな快適性や機能性、そして芸術性の向上を目指した建築家たちが設計した「戸建ての住宅」に、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、ランドスケープという7つの観点からフォーカスするものだ。
展示で紹介されるのは、大規模建築も数多く手がけた著名な建築家たちによる15邸。その模型を中心に、20世紀の住まいの実験が、写真や図面、スケッチ、家具、テキスタイル、食器、雑誌やグラフィック、映像などを通じて多角的に紹介されている。
