ベネッセアートサイト直島の最新作「またべえ」が誕生。ヤン・ヘギュやアピチャッポン・ウィーラセタクンらの作品展示が6月にスタート
瀬戸内海の直島で、ふたつの新たな作品展示が6月から始まる。過去3回のベネッセ賞受賞アーティストに加えてズル・マハムードによる作品展示と、ヤン・ヘギュとアピチャッポン・ウィーラセタクンが本村地区の家屋「またべえ」で発表する作品の展示だ。
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安藤建築の設計による新しい美術館の開館を控える瀬戸内海の直島。ここで、ふたつの新たな作品展示が6月から始まる。
ひとつは、ベネッセハウス ミュージアムで行われる、アマンダ・ヘン、ヤン・ヘギュ、パナパン・ヨドマニーといった過去3回のベネッセ賞受賞アーティストとズル・マハムード(2016年福武總一郎特別賞)による展示。もうひとつは、ヤン・ヘギュとアピチャッポン・ウィーラセタクンが本村地区の家屋「またべえ」を展示空間に新たに構想・制作した作品の展示だ。
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6月15日からベネッセハウス ミュージアムで開催される「シンガポール美術館協働企画 ベネッセ賞受賞アーティスト作品展示」では、ヨドマニーの第11回ベネッセ賞受賞作品(2016)やマハムードの近作、第12回受賞(2019)のヘンがベネッセアートサイト直島を訪れて直島の人々の協力のもと制作した新作、そして第13回受賞(2022)のヤンの代表的な彫刻作品などが展示。
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Courtesy of the artist and Kukje Gallery Photo by Chunho An
同賞は1995年にヴェネチア・ビエンナーレにおいてスタートし、11回目となる2016年にはアジアに移行し、22年までの3回にわたりシンガポール・ビエンナーレの参加アーティストを対象に授与してきた。今回の展示では、シンガポール・ビエンナーレを主催するシンガポール美術館との協働によりそれぞれのアーティストの作品を紹介する。
いっぽうの「炎の輪 ヤンの太陽 ウィーラセタクンの月」展(6月21日〜)は「昼」と「夜」で構成される。三分一博志建築設計事務所修復監修による「またべえ」の母屋で、ヤンとウィーラセタクンは初めて協働で取り組んだ作品を公開する。太平洋を囲む火山帯(リング・オブ・ファイヤー)に自然界の営みの連続性を見出す本展では、「昼」はヤンの音の彫刻に切り絵のランタン、「夜」はウィーラセタクンのサウンドと、照明が加わり、音と動き、光と影の世界が家屋のなかで繰り広げられる。
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また、今回の作品展示にあわせて、ベネッセハウス ミュージアムのペインティングルームでは、ミュージアムのコレクションからジャン=ミシェル・バスキアやサイ・トゥオンブリーなどの目玉作品が展示される。ぜひこれを機に、もう一度直島を訪れてみてはいかがだろうか。