2025.3.7

今週末に見たい展覧会ベスト20。アートフェア東京から「火の鳥」、松山智一まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

松山智一 Passage Immortalitas 2024
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もうすぐ閉幕

私は死を乗り越えて生きてゆきたい(草間彌生美術館

展示風景より、《再生の瞬間》(2024)、奥が《命の炎―杜甫に捧ぐ》(個人蔵、1988)©YAYOI KUSAMA

 草間彌生美術館の「私は死を乗り越えて生きてゆきたい」が3月9日に閉幕する。レポート記事はこちら

 太平洋戦争を複雑な家庭環境下で体験し、トラウマや神経症による自殺未遂衝動を創作活動で乗り越えてきた草間彌生にとって、生と死はつねに差し迫った問題であった。本展では、戦争の影が色濃く見られる1940~50年代の絵画から最新作までの多様な作品の展覧を通し、草間の死生観の表出とその変遷をが紹介されている。

会期:2024年10月17日〜2025年3月9日
会場:草間彌生美術館
住所:東京都新宿区弁天町107
電話番号:03-5273-1778
開館時間:11:00~17:30 ※日時指定の予約・定員制(各回90分)。毎月1日10:00(日本時間)に美術館ウェブサイトにて翌々月分のチケット発売開始。美術館窓口での取り扱いなし。チケットは美術館ウェブサイトのみで販売 
休館日:月、火、水、12月23日〜2025年1月3日
料金:一般 1100円 / 高校・中学・小学生 600円

その壁の向こう側―写真が語るハンセン病問題の真実― プレ展示(国立ハンセン病資料館)

 国立ハンセン病資料館で3月9日まで「その壁の向こう側―写真が語るハンセン病問題の真実― プレ展示」が開催されている。

 同館では、館外での普及啓発活動を目的とした展示を企画。本展は、ハンセン病療養所と入所者を撮影した趙根在(チョウ・グンジェ)の写真8点を紹介するものとなっている。ハンセン病問題は国による憲法違反の隔離政策を原因として、深刻な人権侵害と偏見差別が引き起こされた現在も未解決の人権問題。この展示を通じて、今日の課題としても残り続ける「人権とは何か」という問題を改めて考える機会となるだろう。

 なお同館では2025年度から順次館外で展示を行う予定で、今回はプレ展示として館内で公開されている。

会期:2025年2月8日〜3月9日
会場:国立ハンセン病資料館
住所:東京都東村山市青葉町4-1-13
開館時間:9:30〜16:30 
休館日:月(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館) 
料金:無料

evala 現われる場 消滅する像(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]

展示風景より、《Sprout "fizz"》(2024)

 サウンドアーティスト・音楽家のevalaによる個展「evala 現われる場 消滅する像」が、東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で3月9日まで開催中だ。レポート記事はこちら。evalaのインタビューはこちら

 evalaは2000年代以降、個人活動に加えて幅広い領域とのコラボレーションを行ってきた。とくに、2017年から取り組まれてきた新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」は国内外で注目を集めている。本展はその「See by Your Ears」シリーズにおける新作と過去作品を含めた、evalaにとって現時点での集大成となる展覧会。ICCにある2つの大展示室をフルで活用した展示は2005年ぶりであり、それぞれ異なるアイデアから生み出された作品が6つの展示室で紹介されている。

会期:2024年12月14日~2025年3月9日
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
開館時間:11:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)、12月28日〜1月3日、2月9日
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 65歳以上・高校生以下 無料

マーク・マンダース|Silent Studio(ギャラリー小柳

展示風景より

 東京・銀座のギャラリー小柳で、マーク・マンダースによる個展「Silent Studio」が3月8日まで開催中だ。

 本展では、ギャラリーの空間が半透明の薄いビニールで囲われ、アーティストのスタジオに一変。展示空間の中央には、《Bonewhite Clay Head with Two Ropes》(2018-2024)が配され、作業台の上に置かれた乾燥してひび割れたかのような彫刻はロープで留められ、いまにも崩れそうな緊張感を与える。これらの作品がスタジオの設えに配されることで、作業の途中であるかのような印象を見る者にもたらすとともに、静かなスタジオに作家がそれまでその場にいたかのような、あるいは長い間放置されたかのように感じさせるだろう。

会期:2024年12月18日〜2025年3月8日
会場:ギャラリー小柳
住所:東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
電話番号:03-3561-1896
開館時間:12:00〜19:00
休館日:日月祝
料金:無料

佐々木類「不在の記憶」(WALL_alternative)

 エイベックス・クリエイター・エージェンシーが運営するオルタナティヴ・スペース「WALL_alternative」で、佐々木類の個展「不在の記憶」が3月8日まで開催されている。

 佐々木は、身近な自然や生活環境にインスピレーションを得て、その土地や場所に関連する記憶をガラスという素材に封じ込める注目のアーティスト。これまでに、金沢で採集した植物をモチーフにした「土地の記憶」シリーズや、「忘れじの庭」シリーズを発表しており、今回の個展では、さらに新たな試みとして、西麻布を中心とした地域で採集した植物を使用した作品が並ぶ。

会期:2025年2月14日〜3月8日
会場:WALL_alternative
住所:東京都港区西麻布4-2-4 1F
開館時間:18:00〜24:00
休館日:日
料金:無料

豊嶋康子「地質時代」(Maki Fine Arts

豊嶋康子 新太古代 2025 自然塗料、木材、リンシードオイル 45 × 91 × 4 cm

 Maki Fine Artsで、3月9日まで豊嶋康子による個展「地質時代」が開催されている。

 豊嶋康子は1967年埼玉県生まれ。1993年に東京芸術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程を修了。日常社会の制度や仕組みを批評的にとらえ、人間の思考の「型」を見出すことをテーマとして、作品を発表してきた。鉛筆の中心を先端と仮定し、そこから両方向に芯を削っていく「鉛筆」シリーズや、定規をオーブントースターで加熱し目盛りを歪ませた「定規」シリーズをはじめ、ものが本来持つ機能や意味をずらし複数の見え方が可能な作品を手がけている。また、1996年から、複数の証券会社から株式を購入する、50以上の口座を開設し同名義で送金しあうなど、特定のシステムに自身を組み込み、無自覚に固定された個人の定義を問い直すプロジェクトに取り組む。

会期:2025年1月22日~3月9日
会場:Maki Fine Arts
住所:東京都東京都新宿区天神町77-5 ラスティックビルB101
電話番号:03-5579-2086
開館時間:12:00~19:00(日~17:00)
休館日:月火
料金:無料

阪神・淡路大震災30年 企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」(兵庫県立美術館

展示風景より、田村友一郎《高波》(2024)

 兵庫・神戸の兵庫県立美術館で、阪神・淡路大震災30年 企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」が3月9日まで開催中だ。レポート記事はこちら

 阪神・淡路大震災で被災した兵庫県立近代美術館(1970〜2001)を引き継いだ兵庫県立美術館は、2002年に震災復興の文化的シンボルとして開館。以後、震災後の節目の年に関連展示を開催してきた。本展は当時の震災を振り返るだけでなく、未来への希望を想像しにくい時代において、改めていまを生きる「わたしたち」を「希望」の出発点として位置づける展覧会となっている。参加作家は、束芋米田知子やなぎみわ國府理田村友一郎、森山未來、梅田哲也

会期:2024年12月21日~2025年3月9日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
電話:078-262-1011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般1600円 / 大学生1000円 / 70歳以上 800円 / 高校生以下無料

どうやってこの世界に生まれてきたの?(弘前れんが倉庫美術館


ジャナイナ・チェッペ Xicletoformis Pluralis 2005 タグチアートコレクション蔵
©Janaina Tschäpe Courtesy of nca | nichido contemporary art

 弘前れんが倉庫美術館で、⽇本有数の現代美術のコレクションであるタグチアートコレクションとの協働で企画展「どうやってこの世界に⽣まれてきたの?」が3月9日まで開催中。

 本展では、弘前市出⾝の奈良美智や、奈良と親交が深い杉⼾洋、⻘森を含む東北にゆかりのある⼯藤⿇紀⼦鴻池朋⼦ら、同館の歴史や地域にゆかりのある作家とともに、現代社会を反映する国際的に活躍する作家たちの作品が紹介されている。

会期:2024年9月27日~2025年3月9日
会場:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
電話番号:0172-32-8950
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:⼀般 1500円 / ⼤学・専⾨学校⽣ 1000円 / ⾼校⽣以下、障がいのある方と付添の方1名 無料

今週開幕

アートフェア東京19(東京国際フォーラム)

 東京国際フォーラムで「アートフェア東京19」が3月7日〜9日の会期で開催される。

 アートフェア東京は、日本最大かつアジア最古のアートフェアのひとつであり、2005年以来、日本および世界の優れたアートギャラリーが集う場所として開催されてきた。同フェアは、日本の美術市場をリードする存在であり、幅広い美術品を紹介していることから、日本だけでなく世界のディーラーや世代を越えたコレクターの注目を集め続けている。

 会場では、古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広い作品のアートが展示。「ギャラリー」「クロッシング」「プロジェクト」といった3つのセクションが設けられ、国内外から139軒のギャラリーが出展する。

会期:2025年3月7日〜9日 ※3月6日は招待者並びにプレス関係者のみ
会場:東京国際フォーラム B2F ホールE、B1F ロビーギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内3-5-1
料金:早割チケット(2025年1月24日まで) 3500円 / 前売チケット(2025年1月25日〜3月6日) 4000円 / 当日チケット(2025年3月7日〜9日) 5000円

手塚治虫「火の鳥」展-火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-(東京シティビュー)

手塚治虫「火の鳥」展 キービジュアル ©Tezuka Productions

 東京シティビューで「手塚治虫「火の鳥」展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命の象徴-」が3月7日から開催される。

 本展は、数々の名作を生みだした手塚治虫が、みずからのライフワークと宣言したマンガ『火の鳥』の大型展覧会だ。直筆原稿を中心に、映像、関連資料、そして『火の鳥』の世界観を表現したグラフィックなど、計約800点の展示を通して、企画監修を担う生物学者・福岡伸一が、この壮大な叙事詩を生命論の視点から読み解く。また、現代美術家の横尾忠則と福岡が『火の鳥』について語り合う対談映像も公開。横尾が描いた作品《火の鳥》も展示する。

会期:2025年3月7日~5月25日
会場:東京シティビュー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52F
電話番号:03-6406-6652
開館時間:10:00~22:00(最終入館は21:00まで)
休館日:会期中無休
料金:一般 2300円 / 高校・大学生 1700円 / 4歳~中学生 800円 / 65歳以上 2000円

FIFTYS PROJECT ジェンダー平等とわたしたち

メインヴィジュアル イラスト:シシヤマザキ

 3月8日の国際女性デーにあわせ、渋⾕PARCO 1階 GATEで「FIFTYS PROJECT ジェンダー平等とわたしたち」が開催される。

 本展は、東京・渋谷のセレクト・ブティック「Sister」と、国際女性デーにあわせ「政治分野のジェンダーギャップ、私たちの世代で解消を」を掲げて活動するFIFTYS PROJECTの共同企画。日本ではいまだに男性主体政治が続くなか、1945年に女性が選挙権・被選挙権を得てから今年で80年が経つ。本展では、これまでの歩みとこれからについてFIFTYS PROJECTの活動とともに来場者と一緒に考える展示を目指すという。

会期:2025年3月7日~3月9日
会場:渋⾕PARCO 1階 GATE
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1
開館時間:11:00~21:00

戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見(東京都庭園美術館

 東京・白金台の東京都庭園美術館で「戦後西ドイツのグラフィックデザイン モダニズム再発見」が3月8日から開催される。

 本展は、デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラーとカタリーナ・ズセックによって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料のなかから、幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの観点から選ばれたポスターを中心に、冊子や雑誌など多彩な作品を展示するもの。展示物を通じて、バウハウスやウルム造形大学が提唱したデザイン教育を基盤としたモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界を垣間見ることができるだろう。

会期:2025年3月8日~5月18日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9 
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、5月5日は開館)、5月7日
料金:一般 1400円 / 大学生(専修・各種専門学校含む) 1120円 / 中高校生・65歳以上 700円

松山智一展 FIRST LAST(麻布台ヒルズ ギャラリー

松山智一 Passage Immortalitas 2024 267×470cm Acrylic and mixed media on canvas

 ニューヨークを拠点とするアーティスト・松山智一の東京初の大規模個展「松山智一展 FIRST LAST」が、麻布台ヒルズ ギャラリーで開催される。

 本展では、展覧会タイトルにもなる新シリーズ「First Last」を発表。英語で「最初で最後」を意味する本シリーズは、ニューヨークでマイノリティとして生きてきた松山の、東京での大規模個展開催までの長くとも短いような道のりを反映したシリーズだ。本作で松山はアメリカ社会が抱える諸問題を起点に、自身の特異な背景がもたらす独自の視点を通して世界をとらえなおし、芸術によって新たな共感をつくり出すという。

 また、松山が数ヶ月にわたり昼夜を徹して描き、自身のキャリアのターニングポイントとなった横幅6メートルを超える大作絵画《We Met Thru Match.com》も展示。加えて、これまで上海やヴェネチア、ロンドンなどで発表され、海外でしか見ることができなかった日本初公開作品や最新作15点など、代表作と合わせて約40点を展示する。

会期:2025年3月8日~5月11日
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
住所:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MBF 麻布台ヒルズ ギャラリー
電話番号:03-6402-5460(11:00~17:00)
開館時間:10:00~18:00(金土祝前日〜19:00) ※最終入館は各閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 2400円 / 専門・大学・高校生 1900円 / 4歳~中学生 1300円 / 4歳未満無料

ラーメンどんぶり展(21_21 DESIGN SIGHT

 六本木の21_21 DESIGN SIGHTで企画展「ラーメンどんぶり展」が開催される。

 本展は、グラフィックデザイナーの佐藤卓とライターの橋本麻里が2012年から取り組んでいる美濃焼に関するプロジェクトのひとつである「美濃のラーメンどんぶり展」をきっかけとするもの。

 本展では、プロジェクト開始から続く、様々なジャンルのデザイナーやアーティストらがラーメン丼とレンゲをデザインする「アーティストラーメンどんぶり」に新作10点を加えた、全40点のオリジナルラーメン丼を展示。プロジェクト初の試みとなる建築家・デザイナー3組の設計による「ラーメン屋台」も展覧する。また、身近な製品を「デザインの視点」で解剖し、その成り立ちを徹底して検証する試みである「デザインの解剖」の手法で迫る「ラーメンと器の解剖」、ラーメンの文化や歴史、器の産地である東濃地方の風土や環境、歴史についても紹介する。

会期:2025年3月7日~6月15日
会場:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
電話番号:03-3475-2121
開館時間:10:00~19:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(4月29日、5月6日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料

特別展「桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―」(山種美術館

奥村土牛 醍醐 1972年 山種美術館

 山種美術館で、特別展「桜 さくら SAKURA 2025 ―美術館でお花見!―」が開催される。

 本展では、桜を愛でる女性を色鮮やかに描いた松岡映丘の《春光春衣》や、京都・総本山醍醐寺三宝院の「太閤しだれ桜」を柔らかな色合いでとらえた奥村土牛の《醍醐》、清らかな水が流れる渓谷に咲く山桜を表した川合玉堂の《春風春水》、宵閣のつややかな桜をクローズアップして描き出した速水御舟の《夜桜》など、画家たちの創意あふれる桜の名品の数々を展示する。

会期:2025年3月8日~5月11日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(5月5日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学生・高校生 500円 / 中学生以下無料

日本の万国博覧会 1970-2005 第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」/第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」(文化庁国立近現代建築資料館

大髙正人 大阪万博 メインゲート 平面図 1970

 企画展「日本の万国博覧会 1970-2005」が、東京・湯島の文化庁国立近現代建築資料館で開催される。会期は第1部「EXPO'70 技術・デザイン・芸術の融合」が3月8日~5月25日、第2部「EXPO'75以降 ひと・自然・環境へ」が6月14日~8月31日。

 日本国内では、これまで日本万国博覧会(大阪万博、EXPO'70、1970)、沖縄国際海洋博覧会(1975)、つくば国際科学技術博覧会(1985)、国際花と緑の博覧会(1990)、日本国際博覧会 愛・地球博(2005)の5回の万国博覧会が開催されている。今春からの大阪・関西万博(4月13日〜10月13日)がそれに続き6回目ということになる。

 本展は、同館所蔵の図面や企画段階の資料を中心に展示することで、これまでの5回の万国博覧会の会場計画と施設デザインに関する理解を、開催期間を分けた2部構成で深めようとするものだ。

会期:[第1部]3月8日~5月25日、「[第2部]6月14日~8月31日
会場:文化庁国立近現代建築資料館
住所:東京都文京区湯島4-6-15
開館時間:10:00〜16:30 
休館日:月(5月5日、6日、7月21日、8月11日は開館)、 5月26日~6月13日、7月22日、8月12日
料金:無料

トーク・トーク 40年のコレクションと展覧会(練馬区立美術館

中村善策 池畔新緑 1978年 練馬区立美術館蔵

 練馬区立美術館で「トーク・トーク 40年のコレクションと展覧会」が開催される。

 同館は1985年10月に開館し、2025年には40周年を迎える。同館が40年のあいだに開催した展覧会は200本以上を数え、当初1点のみであった収蔵品は7500点余りとなった。美術館の重要な役割であるコレクションの形成と展覧会開催の背景には、開館前から現在まで、数多くの関係者による様々な対話の積みかさねがあった。

 連続トークでは、練馬区立美術館の歴史を紡いできた多様な関係者が集い、準備室時代の思い出から、初期の展覧会の裏話、コレクション形成の軸となった作家作品や、近年話題となった展覧会まで、コレクションおよび展覧会について振り返る。また同時に未来の美術館についてもトークを展開。会場の2階展示室では、第1号の収蔵品から近年話題となった展覧会の出品作まで、トークにあわせた約20点の収蔵品や資料もあわせて展示する。

会期:2025年3月7日~3月30日
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
電話番号:03-3577-1821
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:無料

エド・イン・ブラック 黒から見る江戸絵画(板橋区立美術館

伊藤若冲 乗興舟(部分) 千葉市美術館

 板橋区立美術館で「エド・イン・ブラック 黒から見る江戸絵画」が開催される。

 日本絵画において、「黒」は古くから欠かすことのできない要素のひとつだった。多くの人が絵を楽しむようになった江戸時代には、絵画表現が広がり、黒は多様にもちいられるようになる。

 本展では黒に焦点をあて、江戸絵画にみる黒の表現とともに当時の文化や価値観なども紹介。月夜の情景や人々の暮らしの様子といった夜を描いた作品のなかでも、影や暗闇などの描写に注目し、黒がどのように用いられたのかを探る。また、背景を黒く塗り込んだ作品や、黒を基調とした「墨彩色」「紅嫌い」と呼ばれる趣味人たちに好まれた浮世絵などから、それらが何を象徴するのか検討する。

会期:2025年3月8日~4月13日
会場:板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27
電話番号:03-3979-3251
開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月
料金:一般 650円 / 大学生 450円 / 高校生以下無料

藤田嗣治 猫のいる風景 -かたわらの動物たち-(軽井沢安東美術館

軽井沢安東美術館
(左)藤田嗣治 結婚式 1950
(中央)藤田嗣治 天蓋の裸婦 1954
(右)藤田嗣治 猫を抱く若い女性 1956

 軽井沢安東美術館で「藤田嗣治 猫のいる風景 -かたわらの動物たち-」が開催されている。

 藤田嗣治が猫と暮らし始めたのは、渡仏して間もなくのことだった。パリで足にまとわりついてきた猫を拾い上げ、自宅に連れ帰ったのがきっかけだったという。それ以降、藤田は身近な画題として猫を描き始める。1920年代、藤田は裸婦像に猫を登場させ、繰り返し制作した自画像にも猫を描き込むようになり、猫はおかっぱ頭やロイドメガネとともに、藤田を象徴するアイコン的存在となった。

 本展では、藤田が「友」と呼び、愛しんだ猫のほか、犬やほかの動物たちが描かれた作品もあわせて紹介。また《天蓋の裸婦》(1954)同館初公開する。加えて、7月17日より一部展示替えをし「終戦80年記念 藤田嗣治 戦争の時代」展とその関連事業を開催する予定だ。

会期:2025年3月6日~9月28日
会場:軽井沢安東美術館
住所:長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東43-10
電話番号:0267-42-1230
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:水(祝日の場合は翌平日。7月23日、30日、8月中の水曜日は開館)
料金:一般 2300円 / 高校生以下 1100円 / 未就学児無料

モネ 睡蓮のとき(京都市京セラ美術館

東京展の展示風景より

 京都市京セラ美術館で「モネ 睡蓮のとき」が開催される。

 本展は、国立西洋美術館で大きな話題を集めた展覧会の巡回展。展示の中心となるのは、2メートルに及ぶ大画面の「睡蓮」の数々だ。今回、パリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日。さらに日本各地に所蔵される作品も加え、モネ晩年の芸術の極致が紹介される。

会期:2025年3月7日~6月8日
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
電話番号:075-771-4334
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし4月28日、5月5日は開館)
料金:一般 2300円 / 大学・高校 1700円 / 中学・小学 1000円 / 未就学児無料 ※予約優先制